1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480313
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
坪川 孝志 日本大学, 医学部, 教授 (80058958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒匂 裕子 日本大学, 医学部, 助手 (90139139)
宮崎 修平 日本大学, 医学部, 助手 (70157626)
片山 容一 日本大学, 医学部, 講師 (00125048)
石川 紘一 日本大学, 医学部, 教授 (20060048)
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Keywords | 脳細胞移植 / 5HT細胞 / 海馬 / HPLCーECD分析 / 行動変化 / 免疫組織学 |
Research Abstract |
私どもが確立したTrypsin処理胎児脳細胞Suspensionをconstant flowーmicroinfusion法での移植手技を用いて, 5.7DHT大槽内注入により5HT細胞をdenervate したラットの背側海馬に移植して, 生着率・生着範囲・神経線維の伸長, その機能状況につき(a)5HTーimmunohistochemistryにより, 形態学的に生着の状況と線維の伸長を, (b)5HT, 5HIAAならびにその他のmonoamin含量を海馬内の種々の部位で測定し, 移植された5HT neuronの生化学的活性度を調べ, その行動について検索した. その結果(a)免疫組織学的に移植された5HT神経細胞は, 移植部位であるdentate gyrusからC_1の部に多く認められ, 神経突起は広範囲に伸長し, ほぼ放射線上に認められ, 移植後8週迄に著明で, その後12週目まで観察したが次第に伸展状況が拡大していた. (b)HPLCーECDによる5HT,5HIAAの定量では, 移植部はもちろん, 移植部とは遠隔な部位である腹側海馬ならびに対側海馬でも5.7DHTによりdenervateした対照よりはるかに増加しているのみならず, 正常の海馬での5HTの含量と比較して150%, 5HIAAは170%に増加していた. しかし対側海馬及び腹側海馬では, 組織免疫学的な染色法ではこの部に伸展した移植細胞の神経突起や, intrinsic sproutingなどは認め難かった. (c)一側海馬5HTdenervationによる未順応環境での非対称性orienting responseを認めるが, 両側の5HTdenervation後の右側海馬へ5HTcellが移植された群では, 移植が機能していれば左側海馬と同一反応を示すはずである. PCAを投与して行動の変化をみると, 移植対側への非対称性回施行動を認め, PCPAの前処置でblockされた. この事実は移植5HT細胞が正常機能を示していることになり, 生理的に作用しているものといえる. (d)局所の5HT及び5HIAAが正常値を上回っているにも拘らず正常行動を示す点に関し, 今後の検討が必要となる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 片山容一,坪川孝志,宮崎修平,小川治彦,岩崎光芳,吉野篤緒,酒匂裕子,芝軒信次,石川紘一: 機能的脳神経外科. (1988)
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[Publications] 坪川孝志,片山容一,小川治彦,岩崎光芳: 神経研究の進歩. (1988)
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[Publications] 坪川孝志,片山容一,宮崎修平,小川治彦,岩崎光芳,酒匂裕子: Brain Injury. 2. 67-74 (1988)
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[Publications] 坪川孝志,片山容一,宮崎修平,小川治彦,岩崎光芳,芝軒信次,石川紘一: Brain Res.Bull.
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[Publications] 小川治彦: Nihon Univ.J,Med. 29. 223-336 (1987)
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[Publications] 宮崎修平,片山容一,岩崎光芳,坪川孝志,芝軒信次,石川紘一: Neurochemical Res.