1989 Fiscal Year Annual Research Report
馬尾ならびに腰部神経根圧迫障害の病態生理学的検討と治療方法に関する臨床的・基礎的研究
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62480322
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Research Institution | Wakayama Medical College |
Principal Investigator |
玉置 哲也 和歌山県立医科大学, 整形外科学, 教授 (30009592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 賢秀 和歌山県立医科大学, 整形外科学, 助手 (80163898)
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Keywords | 腰部神経根障害 / 神経根ブロック / 椎間関節ブロック |
Research Abstract |
本研究の目的は、腰部神経根障害に伴う病態の理解とその対策を再検討することであった。すなわち、神経根障害の典型的な病態は神経支配領域に一致した神経症状として理解されているが、我々が経験した症例を分析した結果、隣接した神経根のブロックが愁訴発現の原因と考えられていた髄節症状を軽減したと判断される症状が認められた。また隋伴する腰痛についても椎間関節ブロックの効果について検討したところ、椎間関節由来と考えられる疼痛のみならず臀部、下肢に放散する関連痛の消失など加えて、下肢の異常筋緊張の低下など多彩な影響が観察された。また、臨床的に障害が加わっていると考えられた神経根から電気生理学的に異常所見が認められなかった例もあった。これらの所見を総合的に判断すると、神経根障害と判断される症状は典型的な場合には単純に根障害として理解される。しかし、かなり非定型的な症例も存在し、種々の疼痛を伝達する信号が傍脊椎神経節あるいは脊髄後角において集積され、それに当該根からの何らかの程度の上行するインパルスが加重されて疼痛として認識されるというようなメカニズムが関与しているのではないかと推論された。また、間歇性跛行の際に出現する髄節症状に対する未梢神経幹電気刺激の効果を根の血流の変化としてとらえようと試みたがその変化は極めて軽微であり、他の要因の関与が考えられた。このメカニズムも単純ではないことが示嗟された。
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[Publications] 寺尾賢秀 他: "腰椎に間関節剖刺激によるreferred pain及びreferred muscle spasmの研究(第1報)" 中部日本整災誌. 32. 159 (1989)
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[Publications] 寺尾賢秀 他: "腰椎々間関節剖刺激によるreferred pain及びreferred muscle spasmの研究(第2報)" 中部日本整災誌. 33. 174 (1990)