1989 Fiscal Year Annual Research Report
各種中枢性拮抗性鎮痛薬と麻薬性鎮痛薬・拮抗性鎮痛薬の鎮痛効果に対する相互作用について
Project/Area Number |
62480325
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花岡 一雄 東京大学, 医学部(分), 助教授 (80010403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 秀夫 東京大学, 医学部, 名誉教授 (60009884)
井出 康雄 東京大学, 医学部(分), 助手 (60193463)
田上 恵 東京大学, 医科学研究所, 講師 (90107657)
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Keywords | 脊髄後角Rexed第5層型単一細胞 / 微小電極記録法 / 拮抗性鎮痛薬 / 麻薬性鎮痛薬 / ブプレノルフィン / フェンタニル / ペンタゾシン / ブトルファノ-ル |
Research Abstract |
中枢性拮抗性鎮痛薬と麻薬性鎮痛薬・拮抗性鎮痛薬との相互作用についてネコの脊髄後角Rexed第5層型単一細胞活動を細胞外微小電極誘導法にて検索し、脊髄鎮痛機構への影響を以下の鎮痛薬の組合せで検討した。 1.フェンタニル0.05mg/kg投与にひき続いてブプレノルフィン0.1mg/kg投与。 (1)5分間隔で投与。拮抗効果を示し、鎮痛効果の消失が推察された。 (2)10分間隔で投与。拮抗効果を示した群と抑制持続の群とに分かれた。 (3)20分間隔で投与。抑制状態が持続し、相加的効果が推察された。 2.ブプレノルフィン0.1mg/kg投与にひき続いてフェンタニル0.05mg/kg投与。 (1)10分間隔で投与。ブプレノルフィンの最大抑制効果が出現する前にフェンタニルが投与され、その抑制作用はブプレにより拮抗された。 (2)30分間隔で投与。ブプレの抑制効果がフェンタニルにより増強した。 3.ペンタゾシン3mg/kg投与にひき続いてブプレノルフィン0.1mg/kgを投与。 (1)5分間隔で投与。抑制効果には影響が認められなかった。 (2)10分間隔で投与。ペンタゾシンの抑制効果がブプレにより増強した。 4.ブトルファノ-ル0.2mg/kg投与にひき続いてペンタゾシン3mg/kg投与。 (1)5分間隔で投与。ブトルファノ-ルの抑制効果がペンタゾシンにより更に増強され、両薬物は相加的に作用することが示唆された。 (2)10分間隔で投与。ブトルファノ-ルの抑制効果がペンタゾシンにより更に強められたが、その増強率は5分間隔の場合よりも小さかった。 (3)20分間隔で投与。ブトルファノ-ルの抑制作用は投与20分後では既に回復状態にあり、ペンタゾシン投与による抑制作用が観察された。 5.ペンタゾシン3mg/kg投与にひき続いてブトルファノ-ル0.2mg/kg投与。 (1)5分間隔で投与。ペンタゾシンの抑制効果がブトルファノ-ルで増強。 (2)10分間隔で投与。ペンタゾシンの抑制効果はブトルファノ-ルで強められるもののその相加効果は小さかった。両薬物の併用は臨床的にも可能。
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[Publications] 花岡一雄: "ブプレノルフィンの脊髄後角細胞抑制効果に対するフェンタニルの作用について" 麻酔. 34(1). S373 (1985)
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[Publications] 花岡一雄: "フェンタニルの脊髄後角細胞活動抑制効果に対するブプレノルフィンの拮抗作用について" 麻酔. 35(2). 349 (1986)
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[Publications] 長瀬真幸: "Peutobarbital Sodiumの脊髄後角細胞活動抑制効果に対するNaloxoneの影響" 麻酔. 35(2). 349 (1986)
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[Publications] 井手康雄: "過換気の脊髄後角Rexed第V層型細胞活動の抑制効果に及ぼすナロキソンの拮抗効果" 麻酔. 35(2). 350 (1986)
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[Publications] 花岡一雄: "ペンタゾシンの脊髄後角細胞活動抑制効果に対するブプレノルフィンの作用について" 麻酔. 35(9). S288 (1986)
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[Publications] 長瀬真幸: "Peutobarbital Sodiumの脊髄血流量低下作用に対するNaloxoneの影響" 麻酔. 35(9). S352 (1986)
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[Publications] 花岡一雄: "痛みの機序と内在的鎮痛機構 麻酔科Q&A104" 金原出版, 423 (1986)
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[Publications] 花岡一雄: "麻酔・蘇生・鎮痛・中毒・臨床薬物治療学大系第16巻中枢性鎮痛薬" 情報開発研究所, (1987)