1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480329
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
坂部 武史 山口大学, 医学部, 助教授 (40035225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 敏三 山口大学, 医学部, 助手 (90034991)
中木村 和彦 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (50180261)
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Keywords | エンフルレン / 局所脳代謝 / 痙攣 |
Research Abstract |
ネコを用いて以下の研究を行った. 1.エンフルレン深麻酔下, ネコ用脳定位固定装置を用いて, 視床腹側基底核群または海馬を破壊した後, 脳局所の電気活動および痙攣誘発性を調べた結果, 視床腹側基底核群や海馬破壊後も, 体性感覚刺激により大脳皮質において痙攣波が発生することがわかった. これは, ラットにおいて視床腹則基底核群の代謝亢進が大脳皮質の活動と密接に関連することと考えあわせて, エンフルレンが大脳皮質自体に作用して痙攣を発生させる可能性を示唆するものと思われる. 2.エンフルレン深麻酔下, normocapniaの状態で, 刺激による痙攣誘発時と無刺激時の局所脳ブドウ糖消費量を^<14>Cーdeoxyglucose法により測定した結果痙攣脳波が発生した場合, 視床腹則基底核群の一部で経度の代謝亢進が認められたが, ラットと異なり脳梁および海馬CA_3の代謝亢進は明らかでなかった. ラットでは, エンフルレン深麻酔時, 棘波発生とともに視床腹側基底核群, 脳梁および海馬CA_3の代謝が亢進したが, ネコではエンフルレンの痙攣作用とこれらの部位との連関は比較的少ないことが示唆された. 今後, エンフルレン麻酔時の痙攣発生における大脳皮質の関与, ラットとネコの種属間差, およびエンフルレン深麻酔時のhypocapniaによる局所脳血流量変化について検討する. また, 痙攣発生時および痙攣後抑制時の局所脳血流量を測定し, 機能・代謝・血流の連関から, エンフルレンによる痙攣発生機序を明らかにしていく予定である.
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