1987 Fiscal Year Annual Research Report
経皮的腎尿管結石摘出術の腎機能に及ぼす影響についての実験的・臨床的研究
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62480332
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
棚橋 善克 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50108495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福崎 篤 東北大学, 医学部, 助手 (70133957)
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Keywords | 腎瘻作成 / 腎血管構築 / 血管鋳型模型 / Broderの切開線 / X線立体撮影 / 99mTcーDMSA腎シンチグラフィー |
Research Abstract |
近年, 超音波を用いた穿刺術および内視鏡技術の発達により, 尿路結石に対する内視鏡的治療が急速に発達してきた. さて, 内視鏡的に上部尿路結石の摘出を行なうためには, まず皮膚より腎実質を経て腎盂・腎杯に通じるルート(腎瘻)を造設しなければならない. この腎瘻を作成することによる腎実質障害の程度を定量的に測定し, 同時に本手技の腎機能への障害を最小限に食い止め, 本手技をより安全な方法として確立するための研究をおこなった. 研究の手技としては, 人腎と類似性の多い犬腎を用いの実験と臨床的検討とを併せておこなった. I.動物実験の結果:(1)摘出した犬腎の血管撮影をステレオ的におこない, 立体的観察およびコンピュータを用いて画像解析をおこなった. (2)摘出した犬腎に腎瘻を作成したのち, 血管の鋳型を作成し, 最も血管損傷の少ない腎瘻の挿入ルートについて検討した. (3)生きた成犬の腎に腎瘻を作成し, 腎瘻の太さの違いによる腎実質および腎血管の損傷の程度について解析した. (4)上記の検討の結果, なるべく細い腎瘻を腎杯を経て作成するようにすれば, 腎血管および腎実質の損傷の程度が最小限にくいとめられることがわかった. ただし, 犬腎に対する腎瘻の太さと人腎に対する腎瘻の太さとの相関についての検討は, 今後の課題である. II.臨床的検討:(1)臨床症例における腎機能の変化について, 血液生化学検査・X線検査,^<99m>TcーDMSA腎シンチグラフィーを用いたRI検査等により追跡調査をおこなった. (2)腎の血管構築に対する立体的検討は, 鋳型模型の作成や, X線撮影による立体視の研究により, 概ね当初の予定が達成された. (3)腎実質障害を少なくするためには, 腎瘻の作成は, 腎杯または, 腎杯頸部を経ておこなうようにすべきことが判明した. (4)Broderの切開線をとうして腎瘻を作成することは, 呼吸・体位その他の種々の要素の影響で必ずしも容易で無いことが判明した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 折笠清一 他: 泌尿器外科. 1. 105-111 (1988)
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[Publications] 棚橋善克: 臨床泌尿器科. 42. (1988)
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[Publications] 沼田功 他: 日本レーザー医学会誌. 8. (1987)
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[Publications] 折笠清一: 宮城県医師会報. 495. 184-188 (1987)
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[Publications] 折笠清一: 医学のあゆみ. 144. 4-7 (1988)
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[Publications] 棚橋善克 他: 腎と透析〈腎尿管結石のすべて〉. 206-210 (1987)