1989 Fiscal Year Annual Research Report
尿路に支配する自律神経の神経活性物質に関する免疫組織化学的研究
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62480340
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Research Institution | Medical College of Oita |
Principal Investigator |
緒方 二郎 大分医科大学, 医学部, 教授 (80040541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今川 全晴 大分医科大学, 医学部, 助手 (10168510)
河野 信一 大分医科大学, 医学部, 講師 (80161339)
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Keywords | 下部尿路 / 神経活性物質 / ペプチド / 免疫組織化学 / プロスタグランディン |
Research Abstract |
これまでの成績からSubstance P(SP)は骨盤神経節の少数の神経細胞に検出され、またSP陰性神経細胞の周囲を取り囲むようにVaricose状を呈していた。そこで本年度はSPニュ-ロンを追跡するために膀胱三角部上皮、L_7、S_1の後根神経節および同レベルの脊髄後角におけるSPの局在の検出を試み、次の結果をえた。 1)猿の膀胱三角部上皮内、粘膜結合織、筋層および血管周囲にvaricose状のSP陽性線維を認めた。 2)L_7、S_1の後根神経節内にSP陽性の小神経細胞を認めた。 したがって、SPニュ-ロンのあるものは細胞体を脊髄後角および後根神経節にもつ知覚神経の末梢枝であろうと推論した。 さらに今年度はCalcitonin gene related peptide(CGRP)、Vasoactive intestinal polypeptide(VIP)の検出を行い次の結果をえた。 1)CGRPは骨盤神経節内には全く検出されないが、膀胱上皮下には細線維が検出され、L_7、S_1の後根神経節にCGRP陽性細胞が検出された。 2)VIPは骨盤神経節構成細胞の15〜20%に陽性であった。またVIP陽性線維が膀胱上皮内、筋層ならびに血管周囲に認められ、特に三角部ではSP線維より密に分布していた。 以上の結果からCGRPは自律神経における純粋な知覚を司どる神経伝達物質と考えられた。VIPは骨盤神経、下腹神経を切断しても膀胱内VIP含有線維の分布には著変がないという報告を併せ考えると、骨盤神経節内VIP陽性細胞が膀胱内VIPニュ-ロンの起源であろうと考えられた。 この他の膀胱におけるProstaglandinの生合成に関して生化学的に追求し、還元型グルタチオンの作用を検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 寺田勝彦,緒方二郎: "下部尿路に支配する自律神経の神経伝達物質に関する免疫組織学的研究" 日本泌尿器科学会雑誌. 80. 1566-1573 (1989)
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[Publications] 寺田勝彦,緒方二郎: "下部尿路に支配する末梢自律神経の神経活性物質に関する免疫組織学的研究" 自律神経(会報). 26. 217 (1989)
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[Publications] 緒方二郎,寺田勝彦: "動物における骨盤神経節" 自律神経.
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[Publications] 寺田勝彦,緒方二郎: "Pacinian Corpuscle in the Dorsolateral Site of External Urethral Sphinctey" The Journal of Urology.
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[Publications] Hiromitsu MIMATA,Tatsuhiko TANIGAWA,Jiro OGATA,Masazumi TAKESHITA: "Regulation of prostaglandin Synthesis by reduced glatatione in the Urinary bladder epithelium" The Journal of Urology. 139. 616-620 (1988)
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[Publications] Tatsuhiko TANIGAWA,Hiromitsu MIMATA,Masazumi TAKESHITA,Jiro OGATA: "Effect of non-protein thiols on prostaglandin synthesis in bovine bladder epithelium" Urological Reseach.