1988 Fiscal Year Annual Research Report
間質性腎炎の研究(Tamm Horsfall蛋白を中心として)
Project/Area Number |
62480343
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
名出 頼男 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (40084561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 正幸 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 講師 (20138085)
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Keywords | Tamm-Horsfall蛋白 / 血清中THG抗原 / 抗THG抗体 |
Research Abstract |
昨年の研究で人血清中には、Tamm-Horsfall(THG)蛋白は検出し得たが、抗THG抗体は検出し得ぬ事が判った。その為通常人の腎から慢性的に血清中に蛋白が遊離する場合や、腎自身に慢性病変の存在する場合には抗体は検出し得ないと考え、先ず片側の腎の傷害を与えて血清中にTHG蛋白を遊離させて免疫源として抗体生細胞を刺激し、(感作用腎傷害)間隔を置いて他の腎に急性傷害を与えて血中に大量の抗原を遊出させ"セカンド・セット"反応を起こさせる試みを行う事とした。手始めに犬を用い、片側尿管結紮を開放し、腎機能回復を待って対側尿管結紮に腎感染をお越し、大量のTHG遊離が起きるか否かを検討する事を試みた(最初尿管結紮を行った腎に感染を起こすのは不適当で、又、対側の新鮮傷害を起こす際、犬に急性腎不全状態を斉らさぬ為には、一旦結紮した尿管を開放して腎機能の回復を図る必要がある。しかし犬約20頭を用いた実験で、尿管結紮側の腎機能を経時的に計測する為、尿管を皮膚移植してクレアチニンクリアランスで追跡したが、満足すべき腎機能の回復を見た個体の数が4頭と少なかった。従ってこの系を用いての実験は困難と判定した。その為実験動物をラットに変更し現在ラット尿中THG蛋白に対するウサギ抗体の作製と、それに続くラット血清中のTHG蛋白の証明、及び閉塞腎作製時の血中蛋白量の変動等を追う実験系を確立する為検討を開始している。
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