1989 Fiscal Year Annual Research Report
人胎児・胎盤系の発生・分化・成熟における各種人由来発癌遺伝子の発現機序に関する研究
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62480352
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Research Institution | The Tokyo Jikeikai University School of Medicine |
Principal Investigator |
横山 志郎 東京慈恵会医科大学, 医学部・産婦人科, 助手 (20142490)
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Keywords | cーmyc癌遺伝子 / cーsis癌遺伝子 / cーfms癌遺伝子 / 絨毛細胞 / 分化 / 増殖 / 絨毛性疾患 |
Research Abstract |
昭和62年度および昭和63年度の研究において、cーmyc癌遺伝子は胎盤絨毛の増殖を制御し、c-sis癌遺伝子も同様に胎盤絨毛の増殖に関与することが明らかとなった。一方、cーfms癌遺伝子は胎盤絨毛の分化を制御することも示された。このことより、癌遺伝子は正常細胞の増殖・分化能と密接に関連し、その機能を制御することが明確にされた。最終年度である本年では、胎盤絨毛を発生母地とする絨毛性疾患(胞状奇胎、絨毛癌)についても検討を加え、cーmyc、cーfms 両癌遺伝子は絨毛性疾患の増殖・分化にも深く関与することを示した。しかしながら、cーsis癌遺伝子は絨毛性疾患には関与しないことが判明した。これらより、人胎盤系で発現される各種癌遺伝子は正常胎盤絨毛細胞の増殖・分化に関与するばかりでなく、絨毛性疾患の発生機序とも密接に関連していることが示された。
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[Publications] 横山志郎: "正常妊娠と絨毛性疾患におけるcーmyc,cーfms,cーsis癌遺伝子の発現に関する研究" 日本産科婦人科学会雑誌. 40. 1867-1874 (1988)
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[Publications] 横山志郎: "ビオチン標識プロ-ブを用いたIn situハイブリダゼ-ションによる人胎盤絨毛組織内における癌遺伝子cーmycmRNAの局在性の検討" 日本産科婦人科学会雑誌. 39. 1651-1652 (1987)
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[Publications] 横山志郎: "癌遺伝子の発現からみた正常絨毛の増殖・分化能と絨毛性疾患の発生機序の検討" oncology & chemotherapy. 6. 31-37 (1990)