1988 Fiscal Year Annual Research Report
耳鳴のCNV(contingent negative variation)による心理学的解析
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62480356
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白石 孝之 大阪大学, 医学部, 助手 (50171038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 亨 大阪大学, 医学部, 教授 (10101271)
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Keywords | 無難聴性耳鳴 / 随伴陰性変動 / 耳鳴 |
Research Abstract |
本年度は耳鳴患者39名に対し、CNVを測定し以下の結果を得た。 1.耳鳴群では、群加算平均波形において健常群に比べ、初期CNV、中期CNVの振幅の有意な(P<0.05)増大がみられた。後期CNVには両群の間に差はみられなかった。 2.命令刺激に対してボタン押しの課題を与えその反応時間を計測した結果、耳鳴群では有意な反応時間の延長がみられた。しかし健常人の平均年令が耳鳴群と差があったので、検討を加える必要がある。 3.S1(警告刺激)とS2(命令刺激)の間にnoiseを挿入し、注意散逸効果を検討したが、耳鳴群では後期CNVの振幅が減少した。 4.同時に測定したP300の振幅は、耳鳴群において有意な減少がみられた。一方、潜時には差はなかった。 5.心理テストとの関連では、うつスコアでは境界領域のグループにおいて1に述べたCNVの初期、中期成分の増大がみられた。MAS(テーラー不安尺度)との関連では、MASスコアの高いもので、CNV振幅の増大がみられた。 以上の内容を第33回日本聴覚医学会において発表した。また平成元年5月に予定されている第90回日本耳鼻咽喉科学会にて発表予定である。
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Research Products
(1 results)