1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480364
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松尾 信彦 岡山大学, 医学部, 教授 (40033047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白神 史一 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (50187530)
大島 浩一 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (40176871)
松岡 徹 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (10165780)
小山 鉄郎 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (50135993)
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Keywords | 喫煙 / 家兎 / ビデオ蛍光眼底造影 / 画像解析 / 網膜平均循環時間 / 最高濃度出現時間差 / 老人性円板状黄斑変性症 / 喫煙係数 |
Research Abstract |
1.煙草主流煙の網膜微小循環に及ぼす影響に関する研究:先に私達の教室で開発したビデオ蛍眼底造影と画像解析による人眼に対する網膜循環時間の測定システムを有色家兎に利用した。人眼の場合と同様に網膜動静脈それぞれの蛍光希釈曲線から測定した網膜平均循環時間は有色家兎眼においては、十分な再現性がみられなかった。しかし網膜動静脈の蛍光希釈曲線から測定した最高濃度出現時間差は有色家兎眼において再現性を認めた。有色家兎に煙草主流煙を負荷した場合、負荷直後に網膜循環時間は短縮し、その後延長する傾向を認めたが、最高濃度出現時間差は喫煙負荷によって有意な変化を認めなかった。今後、例数を増やして再検討する必要がある。 2.喫煙と老人性円板状黄斑変性症との関係に関する研究:(1)喫煙率について本症患者群と一般人口とを比較すると、患者群に高く、ことに標本数の多に60歳以上の男性群において有意差を認めた。(2)年齢と喫煙が本症の新生血管膜の大さとの間に有意な正の相関を示した。喫煙係数(1日当りの本数×喫煙年数)が大きい程、新生血管膜が大きく、用量反応関係を認めた。(3)年齢と性に基づいた1:1のマッチングによる患者対照研究により、喫煙にのみオッズ比が有意であった。(4)本症の悪化群では瘢痕化群に比べて有意に喫煙係数が大であり、また過去の喫煙量と本症の悪化とは有出の用量反応関数を認めた。(5)喫煙習慣と本症悪化との関係は、喫煙を継続すると悪化例が多く、禁喫すると悪化例が少ないことを認めた。(6)視力経過は本症悪化群に低下の傾向を認め、喫煙係数によって視力予後に差を認めた。(7)以上の結果から本症に対する喫煙の影響としては、発症、新生血管膜の拡大、滲出や出血の持続と再発、光凝固後の新生血管膜の再発などが考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 白神史雄,松尾信彦,辻俊彦,三原正義,那須好滋: 臨床眼科. 42. 556-557 (1988)
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[Publications] 白神史雄: 瞳青. 41. 69-82 (1988)
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[Publications] 白神史雄,松尾信彦,辻俊彦,三原正義,那須好滋: 臨床眼科. 43. (1989)