Research Abstract |
現在までの研究は以下に示す様に行なった. 1)脳幹摘出標本の作製:生後0〜3日の新生モルモットをハロセンで吸入麻酔したのち脊髄のC_2のレベルで断頭し,ただちに95%O_2,5%Co_2で飽和した人工脳脊髄液で充したdisseceion chamber中に浸漬する. 実体顕微鏡下で, 頭部腹側部を上方にむけて,皮慮の端を虫ピンで固定する. 次に下顎骨を除去し,三又神経,顔面神経,舌下神経に注意しながら,脳頭蓋底を銑刀で除去する. 次いて側方の骨も除去し,三又神経,顔面神経,舌下神経を少なくとも2ー4mm残す様にする. ついで,頭蓋骨をすべて除去し,全体を取り出し,上丘の上編で除脳し,ただちに,記録用chamberに,脳幹底を上方に向けて,上丘と脊髄を虫ピンで,記録用,chamberの底のシリコンゴムに固定する. 2)刺激および記録方法:刺激はタングステン電極を用いて,側から錐体路を片側柱に刺激する. IN VIVOでは咀嚼リズムを話発する錐体路刺激の条件と同じ30Hz100μs巾のパルスを与えた. 記録は三又神経,顔面神経,舌下神経からの神経放電を吸引電極を用いて記録した. 3)実験結果:実験用chamberに移してから約15分後に記録を開始した. 三つの神経から約40分間Tonicな放電が出現し,錐体路刺激による試発電位は記録出来なかった. しかし約90分後からこの自発放電も少なくなりその結果試発電位が記録された. その潜時は三又神経で約8ms,顔面神経で8.5ms,舌下神経で約8.5msであった. 次いで,30Hzの高頻度で錐体路を刺激すると,自発放電に重響して,リズミカルな神経放電が記録された. この様な神経放電は約手術后4時間程観察された. 今后この様本を本にして,顎運動のリズム発生に関与する神経機構を切断,記録,刺激,破壊の手法を用いて研索していく.
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