1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480377
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 幸夫 大阪大学, 歯学部, 講師 (10112062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 彬 大阪大学, 歯学部, 講師 (50028734)
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Keywords | 軟骨 / 分化 / 石灰化 / ホルモン |
Research Abstract |
軟骨細胞の最終分化は、軟骨基質の石灰化と骨格成長に不可欠であると考えられている。すなわち、軟骨石灰化は生体内では骨と隣接した成長板のHypertrophic部位でのみ生じる。また、この石灰化は内軟骨性骨形成を誘導するための引金である。本研究では、我々が最近開発した軟骨・分化・石灰化モデル系(PNAS.USA.1988)を用いて、軟骨細胞の最終分化と石灰化の機構を追求した。 遠心管内で維持したウサギ成長板軟骨細胞を用いて以下の結果を得た。 1.軟骨細胞の最終分化にともない、アルカリホスファターゼ、短鎖コラーゲンおよび、活性型ビタミンD_3受容体産生が30ー100倍増加した。逆に、通常の軟骨細胞のマーカーである高分子プロテオグリカン産生は90%以上低下した。 2.軟骨細胞の最終マーカーが出現するにともないCa量と^<45>Caの取り込み能が10〜20倍上昇した。この石灰化は、アルカリホスファターゼ阻害剤にて抑制された。 3.Fibroblast growth factor(FGF)は、軟骨細胞の増殖と成熟を促進するとともに、軟骨細胞の最終分化と石灰化を可逆的に抑制することが判明した。 4.Transforming growth factor-β(TGFβ)もFGFと同様に、軟骨細胞の石灰化を阻止した。 5.一方、カルシトニンおよび甲状腺ホルモンは軟骨細胞の最終分化と石灰化を促進した。以上の結果、成長軟骨細胞は、侵入血管、骨髄細胞および骨細胞の非存左下で、軟骨基質の石灰化を誘導する能力を有することが初めて証明された。また、軟骨細胞培養系は、軟骨細胞が人工基質と接触しない条件でのみ最終分化して石灰化した。しかも種々の成長因子とホルモンが軟骨基質の石灰化の制御に関与していることが判明した。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] Y.Kato: J.Cell Biol.104. 311-319 (1987)
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[Publications] Y.Hiraki: Mol.Cell.Biochem.76. 185-193 (1987)
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[Publications] Y.Kato: J.Cell.Physiol.133. 491-498 (1987)
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[Publications] Y.Hiraki: Biochim.Biophys.Acta. 969. 91-99 (1988)
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[Publications] Y.Kato: Endocrinology. 122. 1991-1997 (1988)
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[Publications] S.Nishikawa: Protein Engineering. 1. 487-492 (1987)
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[Publications] Y.Kato: Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85. 9552-9556 (1988)
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[Publications] H.Inoue: J.Cell.Physiol.inpress (1989)
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[Publications] M.K.Owada: J.Cell.Physiol.inpress (1989)
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[Publications] M.Iwamoto: Biochim.Biophys.Res.Commun.inpress (1989)
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[Publications] 佐藤克彦: 日本骨代謝学会雑誌. 6. 10-12 (1988)
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[Publications] 加藤幸夫: 日本骨代謝学会雑誌. 7. 16-20 (1989)
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[Publications] Y.Kato: "Effects of antiinflammatory drugs on soft agar growth of rabbit articular chondrocytes InSeminars in Arthritis and Rheumatism.Vol.18,suppl.1" Science Press, (1989)