1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480420
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 英臣 東京大学, 薬学部, 教授 (50080172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 欣三 東京大学, 薬学部, 助手 (10114654)
小野 秀樹 東京大学, 薬学部, 助教授 (00080200)
花野 学 東京大学, 薬学部, 教授 (60012598)
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Research Abstract |
(1)成熟ラットの脊髄腰部膨大部の切片を用いて、ノルアドレナリンのα_1-作用が脊髄運動ニューロン活動を亢進することを示した。62年度の研究においてα_2-アゴニスト作用がある抗痙縮薬チザニジンが脊髄におけるノルアドレナリンの放出を抑制することを示している。これらの結果から、青班核などからのノルアドレナリン下行路は脊髄運動ニューロンに対して促進的であること、およびノルアドレナリン細胞体の発火がα_2-アゴニストにより抑制されることにより脊髄でのノルアドレナリンの放出が減少すると筋弛緩が起こる可能性が示された。 (2)ウサギの眼球振盪に対する抗痙縮薬の作用を調べた。眼球振盪の感覚性および運動性の経路は解明されており、抗痙縮薬の上位中枢での作用機序の研究に適していると考えられた。脊髄反射の研究では同じ作用と見られていたメフェネシンとトルペリゾンの作用が異なることが示された。 (3)2-デオキシグルコース法による脳局所グルコース利用率の測定は薬物の脳局所の作用部位の検索にも利用できる。しかし従来の方法では、測定時間として45分を要し、経時的な脳機能変化を調べるには不向きであった。本研究においては非代謝性グルコースアナログである^3H-3-Oメチルグルコースを^<14>C-デオキシグルコースと同時に使用することによって、グルコース利用測定を5-10分の短時間で行なえることを可能とした。この方法は抗痙縮薬などの中枢作用薬の作用機序研究にも応用できる。 ノルアドレナリン/メフェネシン/トルペリゾン/抗痙縮薬/眼球振盪/2-デオキシグルコース法
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Hirayama: Biomedical Res. 9. 343-351 (1988)
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[Publications] M.Ishikawa: General Pharmacol. 20. 47-51 (1989)
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[Publications] 伊藤清美: 薬物動態. 3. 78-79 (1988)