1988 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシゾーム薬物代謝反応の薬効・毒性評価への応用
Project/Area Number |
62480426
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
須賀 哲弥 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (20057318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 修一 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (60157063)
渡辺 隆史 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (70096692)
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Keywords | ペルオキシゾーム / 薬物代謝 / 薬効・毒性 / β酸化 / 酵素誘導 / 発癌 |
Research Abstract |
昭和63年度における研究計画は、ペルオキシゾーム薬物代謝酵素活性を変動させるさまざまな要因を解明し、さらにその活性変動を測定する新しいスクリーニング法を開発することであった。以下はそれらに関する研究の進展状況の概要である。 1.ペルオキシゾーム薬物代謝酵素活性の変動因子の関する検討 昨年度までの成績を基礎にして、各種動物の肝ペルオキシゾームβ酸化系酵素の誘導現象を詳細の検討した。その結果、(1)ペルオキシゾーム酵素を誘導する薬物の構造上の特徴として、脂溶性部分と極性部分の両方が必要であること、(2)これらの酵素の誘導は糖尿および高脂肪食摂取時にも起ること、さらに(3)上記の条件下でペルオキシゾーム以外の酵素にも誘導が生じ、特にミクロゾームω酸化酵素はペルオキシゾームβ酸化酵素と並行して変動することを明らかにした。 2.ペルオキシゾーム機能の新しいスクリーニング法の開発 ペルオキシゾーム機能を測定することは、最近多数報告されているペルオキシゾーム欠損性疾患の診断、および薬物による薬理作用(血中脂質低下作用)や毒性(発肝癌性)の評価に極めて有用な情報をもたらす。本研究では、当研究室で開発した特異的基質を用いて、ラット肝細胞のペルオキシゾーム機能を測定することに成功した。現在、その方法のヒト細胞への応用性について検討している。 以下の研究成果は、別紙研究論文発表の他に以下の学会等で発表している。〈1〉第2回国際薬物動態学会(2編,1988年5月,神戸)、〈2〉日本薬物動態学会(1988年10月,大阪)、〈3〉薬物代謝と薬効・毒性シンポジウム(3編,1988年10月,大阪)、〈4〉第28回日本臨床化学会年会シンポジウム(1988年11月,松山)、〈5〉日本薬学会第109年会(7編,1989年4月,名古屋)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kinya Kubo.: Chem.Pharm.Bull.36. 305-311 (1988)
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[Publications] Kunio Seki.: Chem.Pharm.Bull.36. 1117-1121 (1988)
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[Publications] Kunio Seki.: J.Pharm.Pharmacol.40. 473-477 (1987)
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[Publications] Toshihiko Ikeda.: Xenobiotica. 18. 1271-1280 (1988)
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[Publications] Takafumi Watanabe.: Biochem.Pharmacol.38. 367-371 (1989)
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[Publications] Hisashi Suzuki.: Biochim.Biophys.Acta. 990. 25-30 (1989)