1988 Fiscal Year Annual Research Report
DNA多型のヒト遺伝病研究への応用を目的とする基礎的研究
Project/Area Number |
62480428
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
中込 弥男 国立小児病院, 小児医療研究センター・先天異常研究部, 部長 (30000235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 健次 国立小児病院, 小児神経化, 医長
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Keywords | DNA多型 / RFLP / 痙性対麻痺 / サザン法 / 遺伝子地図 |
Research Abstract |
イ)遺伝性の神経筋疾患などで酵素異常などの存在が知られていない"成因不明"の遺伝子座位を、DNA多型(RFLP)を中心に既存の多型標識を加えて、連鎖関係を検出すること。ロ)精神薄弱等の成因となる常染色体の変化のうち、分染法など形態的手法によっては同定困難なものの識別や起原の同定にDNA多型を応用する。ハ)これらの検索に必要なDNA多型(RFLP)解析用プローブがほとんど総て欧米において分離されたものである事実に照らし、日本人でも同様に使用可能であるか否かを検定する。ニ)新たなプローブを開発する。以上の目的に沿って研究を行った。 イ)痙性対麻痺の1家系につきRFLPによる解析を行ったところ、ハ)により予め除外した4種のプローブを別にして、多型の組み合せからこの家系で判定ができなかったプローブ9種、判定可能であったプローブ8種であった。8種についてのlod値を計算した所、組み換え価0で-∞のもの4種で、最も高いlod値を示したプローブはプラス0.6であった。ロ)としては出所不明の構造異常につき、バンドの濃度に基づく同定を試み、1例では高精度分染レベルの結論を裏付け、他の1例では現在までのところ裏付けられない結果となった。ハ)については当研究部の山田らと共同して、正常日本人集団に対するRFLP解析を進めているが、70種のプローブについての検討の結果、欧米人では多型を検出するのに日本人では検出しないもの6種、大きく頻度の異なるもの15種が発見され、これらについては日本人の解析には使用できないか使用が困難であることが明らかとなった。ニ)XとY染色体よりそれぞれRFLP用プローブ1種ずつを開発することに成功した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Agematsu,K.;Nakahori,Y.;Nakagome,Y.;et al.: Human Genetics. 80. 105-107 (1988)
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[Publications] Kobayashi,R.;Nakahori,Y.;Nakagome,Y.;et al.: Jounal of Forensic Sciences. 33. 613-620 (1988)
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[Publications] Morisaki,H.;Morisaki,T.;Nakahori,Y.;et al.: American Journal of Hematology.27. 30-33 (1988)
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[Publications] Yamada,M.;Nakagome,Y.;et al.: Japanese Jounal of Cancer.79. 670-673 (1988)