1989 Fiscal Year Annual Research Report
DNA多型のヒト遺伝病研究への応用を目的とする基礎的研究
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62480428
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Research Institution | National Children's Hospital, Children's Medical Research Center |
Principal Investigator |
中込 弥男 国立小児病院, 小児医療研究センター・先天異常研究部, 部長 (30000235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 健次 国立小児病院, 神経科, 医長
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Keywords | DNA多型 / RFLP / 遺伝子地図 / 人種 |
Research Abstract |
X染色体の長腕遠位側(q27ーq28)より新たなRFLPプロ-ブをクロ-ン化することに成功、TaqIとの組み合せより10.5kb(A)と5.0kb(B)の多型が見られることを日本人男女計61(男34、女27)名について証明した。AとBの頻度は0.27対0.73であった。なお同様の検討を白人男女計45名、黒人男女計36名についても行い、本RFLPが人種を問わず使用可能であることを明らかにした。なおTaqI以外に、BamHI、PstI、HindIII、PvuII、XbaIによっても多型を検出することを示したが、本RFLPがfraXや血友病などと座位が近いことと合せて、極めて有用な診断用プロ-ブと考えられた。従来はRFLPの存在が知られていなかった47Zプロ-ブについて、初めてRFLPをそれも2種検出した。HindIIIとTaqIの2重消化によるX多型とStuI消化によるY多型である。日本人男女計179名についての検討によりX1が0.75、X2が0,25の頻度と判明、Xq21の座位と合せ有用性が高いと考えられた。Y多型は日本人のみで観察され、26名の白人、21名の黒人が何れもY1を示し、Y2(日本人では0.28)が全く観察されなかったことが注目される。 新しいミニサテライト型の多型を発見したことも特記される。Y染色体長腕の反復配列DYZ1に由来するプロ-ブpHY10を用い、TaqI消化した男女のDNAのサザンブロットを行ったところ、常染色体型の高度な多型が検出されたのである。1卵性の双胎では18本のバンドが総て一致、2卵性では9本のバンドで不一致が検出されるなど、実用性についても極めて有望と思われた。その他RFLPの実用化の前提となる人種差の問題、染色体の構造解析へのRFLP用プロ-ブの応用、骨髄移植におけるドナ-細胞の追跡への応用、VNTRの個体識別へ応用を行い、何れについても有用であるとの結果を得た。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nakahori,Y.,Tamura,T.,Yamada,m.,Nakagome,Y.: "Two 47z RFLPs on the X and the Y chromosome." Nucleic Acids Research. 17. 2152 (1989)
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[Publications] Yokoi,T.,Sagisaka,K.,Nakahori,Y.,Nakagome,Y.: "Hypervariable polymorphism of autosomal origin detected by the Y.chromosome derived probe,pHY10" Japanese J.of Human Genetics. 34. 209-215 (1989)
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[Publications] Nakahori,Y.,Yamada,M.,Nakagome,Y.: "very low rate Y chromosome masaicism(1:5400)detectable by a novel probe enzyme combination." Japanese J.of Human Genetics. 34. 203-208 (1989)
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[Publications] Hayashi,Y.,Inaba,Y.,Nakagome,Y.et al.: "Similar chromosomal patterns and lack of N-myc gene amplification in localized and IV-S stage neuroblastomas in infants." Medical and Pediatric Oncology. 17. 111-115 (1989)
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[Publications] Nakamura,Y.Sakai,M.,Sakuma,S.,Nakagome,Y.et al.: "Partial trisomy of the distal segment of 14q" Human Genetics.
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[Publications] Akane,A.,Matsubara,K.,Shiono,H.,Nakagome,Y.et al.: "Paternity testing:Blood group systems and DNA analysis by VNTR markers." J.Forensic Sciences.
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[Publications] 中込弥男: "新小児医学大系年刊版1989B" 中山書店, 3-23 (1989)