1989 Fiscal Year Annual Research Report
血栓症発症素因としてのビタミンK依存性プロテインSの病態検査学的研究
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62480433
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| Research Institution | The University of Tokushima |
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Principal Investigator |
鈴木 宏治 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (70077808)
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| Keywords | プロテインS / C_4b結合蛋白質(C_4bp) / PS・C_4bp複合体 / 先天性プロテインS欠乏症 / 先天性血栓性素因 / 遊離型プロテインS / プロテインC凝固制御系 / ビタミンK依存性蛋白質 |
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| Research Abstract |
先天性プロテインS(PS)欠乏症は、血栓性素因の1つとして注目されている。これまでの研究で先天性PS欠乏症患者では、活性化プロテインC(APC)に対する補酵素活性を有する遊離型PSの血中濃度が著しく低下し、血中PSのほとんどが補体系制御因子のC_4b結合蛋白質(C_4bp)との複合体として存在することが明らかにされている。そこで今年度は、PS・C_4bp複合体の機能について検討した。その結果、PSのAPCに対する補酵素活性は、遊離型C_4bpならびにPS・C_4bp複合体によって濃度依存性に阻害された。他方、APCならびにC_4bpは固相化PSに濃度依存性に結合したが、このPSへのC_4bpの結合はAPCで阻害されず、またPSへのAPCの結合もC_4bpによって阻害されなかった。しかし、固相化PSへのAPCの結合はPS・C_4bp複合体によって阻害された。また固相化PSへのAPCの結合定数(Kd=2.5×10^<-8>M)は、固相化PS・C_4bp複合体へのAPCの結合定数(Kd=1.7×10^<-8>M)とほぼ等しかった。この結果は、PS・C_4bp複合体は遊離型PSへのAPCの結合を拮抗的に阻害することを示している。続いて、APC、PS、C_4bpの3因子複合体の形成の有無を検討した。APC、PS、C_4bp混合液を、2価性架橋剤のBS^3で処理し、SDS-PAGE後、PC、PS、C_4bpに対するモノクロ-ナル抗体を用いてイムノブロットを行った。その結果、PS・APC複合体、PS・C_4bp複合体およびAPC・PS・C_4bp複合体の形成が認められ、APC・C_4bp複合体の形成は認められなかった。以上の結果から、C_4bpはPSと複合体を形成してPSの補酵素活性を阻害するとともに、形成されたPS・C_4bp複合体は遊離型PSへのAPCの結合を拮抗的に阻害することが明らかになった。
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[Publications] Ogura,M.,Tanabe,N.,Nishioka,J.& Suzuki,K.: "Biosynthesis and secretion of functional protein S by a human megakaryoblastic cell line(MEG-01)." Blood. 70. 301-306 (1987)
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[Publications] Suzuki,K.& Nishioka,J.: "Plasma protein S activity measured using Protac,a snake venom derived activator of protein C." Thromb.Res.49. 241-251 (1988)
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[Publications] 鈴木宏治,神谷忠: "先天性プロテインS欠損症" 日本血液学会雑誌. 51. 1298-1301 (1988)
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[Publications] Suzuki,K.& Nishioka,J.: "Binding site for vitamin K-dependent protein S on complement C_4b-binding protein." J.Biol.Chem.263. 17034-17039 (1988)
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[Publications] Iijima,K.,Inoue,N.,Nakamura,K.et al.: "Inherited deficiency of functional and free from protein S." Acta Haematol.Jpn.52. 126-136 (1989)
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[Publications] Nishioka,J.& Suzuki,K.: "Inhibition of cofactor activity of protein S by a complex of protein S and C_4b-binding protein:Evidence for an inactive ternary complex formation between protein S,C_4b-binding protein and activated protein C." J.Biol.Chem.265. (1990)
