1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480436
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
伊東 紘一 自治医科大学, 医学部, 教授 (60095007)
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Keywords | 周波数依存減衰(FDA) / 音響組織特性 / 肝硬変 / 脂肪肝 / 甲状腺 / 乳腺 / 脾 / 骨格節 |
Research Abstract |
肝硬変、脂肪肝における周波数依存減衰の値は各々0.47〜0.97dB/cm/MHZで平均0.63±0.13dB/cm/MHZであり、0.57〜1.38dB/cm/MHZ、平均値は0.81±0.17dB/cm/MHZとなった。この分布は肝硬変や脂肪肝の程度即ち重症度を表しているものであり、線維化や脂肪沈着の程度を比較する度にラットによる実験を行ってデータの集積を行っている。甲状腺および乳腺の疾患におけるFDA値を比較検討した結果正常甲状腺の周波数依存減衰は1.187±0.182dB/cm/MHZであり、乳腺は0.954±0.119dB/cm/MHZであった。甲状腺疾患の中で甲状腺機能亢進法は0.625±0.304dB/cm/MHZであり、慢性甲状腺炎は0.808±0.407dB/cm/MHZを示した。腺腫様甲状腺腫は1.057± 0.487dB/cm/MHZ、亜急性甲状腺炎は0.925±0.290/dB/cm/MHZであったのに比して甲状腺癌は0.433±0.207/dB/cm/MHZ、甲状腺腫は0.410±0.070/dB/cm/MHZと低値を示していた。しかし乳癌では1.430±0.373/dB/cm/MHZと正常値よりも高い値を示し、腺維腺腫や乳腺症、脂肪なども各々1.353±0.549/dB/cm/MHZ、1.525±0.604/dB/cm/MHZ、0.735±0.412/dB/cm/MHZと高い値を示していた。このように甲状腺疾患の中で癌や腺腫は高値を示すという対照的な態度を示すという事が判明した。また脂肪肝における脾の周波数依存減衰値0.8±0.07dB/cm/MHZに比して有意に高い値を示した。脂肪肝とその腺のFDA値の相関はP<0.01、r=0.76で正相関を認めた。この機序については現在の所不明である。 また骨格節の値〓断にFDA法を役立てるべく、正常骨格節のFDAを測定した。この場合には甲状腺と乳腺に用いた振動子を用いて計測を行い正常値では0.42±0.15/dB/cm/MHZであり走査方向、男女差などを検討したが差は見られなかった。腓腹節や大腿直節にも差はみとめなかった。しかし筋の収縮時は高く、伸展時には低い値を示した。
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Research Products
(1 results)