1987 Fiscal Year Annual Research Report
SL/Niマウス:エピゲネチック桟序による内在性ウィルス発現の多型性の研究
Project/Area Number |
62480441
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
日合 弘 愛知県がンセンター研究所, 病理学第二部, 部長 (10073131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西塚 泰章 愛知県がんセンター研究所, 所長 (60073095)
武馬 裕美子 愛知県がんセンター研究所, 病理学第二部, 技師
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Keywords | SL / Niマウス / 内在性白血病ウイルス / 母系抵抗因子 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
従来の我々の研究により, SL/Niマウスは内在性白血病ウィルス発現が陽性のSL/NiーEco^+の両亜系に分離でき,SL/NiーEco^-では母乳を介して, 抵抗性因子が子孫に伝達される結果,ウイルスの発現が抑制されていることが明らかになった. 同因子は血清中にも存在し,新生児に血清を注射することにより高ウィルウ系マウスでも長期にわたるウイルス発現の抑制がみられた. 母系抵抗性因子の物性とその産生,作用桟構の解明が本研究の目的である. SL/NiーEio^-マウではSL/NiーEco^+由来のecotropic MuLV(SNE2など)に対する高いレベルの自然抗体をもっている(MHA反応で測定). MuLVgp70に対する抗体がウイルス発現を抑制することはいくつかの報告がある. そこで,母系低抗因子が内在性ウイルスに対する抗体である可能性を検討した. protein Aーsepharoseにより同血清をIgM,IgG分画に分けたところ, 抑制活性はIgG分画にあった. またゲル瀘過の成積もこれを支持した. そこで,SL/NiーEco^-の脾細胞とNSー1ミエローマ細胞を融合し,SNE2感染SCー1細胞を標的としたMHA反応でスクリーニングし,抗ウイルス活性をもつモノクローナル抗体の分離とその生物活性の検討を行った. 報告の時点までに,5系統のクローンがとれ,免疫沈降法でいずれも抗gp70活性をもち, その反応域はクローンにより異り, SL/Niの内在性ecotro pic MuLVに限らない. 4系のアイソタイプはIgM,1系はIgG_3とみられるが,いずれも新生児SL/NiーEco^+に注射したところウイルス発現の抑制はみられなかった. 血清中の抑制因子は幅広い内在性ウイルスに対し生物活性を示すところから,今まで得られたハイブリドーマ抗体の特異性の幅が狭く,SL/NiーEco^+で発現されているウイルスの全部に対応していないか, あるいはアイソタイプがたとえばIgAのもののみに生物活性が限定されているなどの可能性を考慮しつつ, 更にクローンの分離につとめている. またin nitroでウイルス感染細胞に対する殺作用を検討している.
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Research Products
(1 results)