1988 Fiscal Year Annual Research Report
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62480449
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木幡 陽 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30030852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 純子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (10159460)
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Keywords | 糖タンパク質 / ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン / 絨毛癌 / 破壊奇胎 / シアル酸 / アスパラギン結合型糖鎖 / Leydig細胞 / アデニル酸シクラーゼ |
Research Abstract |
ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の糖鎖の果たしている役割をより直接的に調べる目的で次の二つの研究を実施した。先ず天然のhCGからシアル酸とシアリダーゼ処理で完全に除去しアシアロh(G)を調製した。これを市販のGalβ1→4GlcNAC:α-2,6シアリルトランスフェラーゼとCMP-Neu5Acと保温することによりNeu5Acの2→6Gal残基のみを持った異性体hCGを調製した。各hCG糖鎖の中性少糖、モノシアリル少糖ンジシアルル少糖の比率は天然hCGで12:34:54、異性体hCGでは1:19:80であるのに対し、アシアロhCGでは100:0:0であった。又、ニューカッスル病ウィルスのシアリダーゼ消化により、天然hCGのシアル酸が全てNeu5Acα2→3Galとして存在するのに対し、異性体hCGでは全てNeu5Acα2→6Galとして存在することも確認された。これらhCGのホルモン活性を培養Leyaig tumov cellでのcAMP産生を目安に調べた結果、アシアロhCGでは天然hCGの半分しか活性を示さないのに対し、異性体hCGは天然hCGと全く同じ活性を示した。この結果からhCGの活性発現に果たすシアル酸の役割は陰性基の提供にあると結論された。次にAsn結合糖鎖が天然hCGと大きく異なることが判明している絨毛癌並びに破壊毒胎のhCGのホルモン活性について調べた結果、次のような重要な知見がえられた。Dホルモン活性は糖鎖構造の変化の度合いが大きいほど低下した。2) 絨毛癌hCGではシアル酸含量が半減していたのでシアル酸の影響を取り除く為に3種のhCGからシアル酸を完全に除去してホルモン活性を比較したところ、いずれも活性は半減したが、活性が天然hCG>破壊奇胎hCG>絨毛癌hCGの関係は依然として維持された。この知見ではhCGのホルモン活性発現の上でシアル酸以外のAsn結合糖鎖も重要な役割を果たしていることを明白に示すものである。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kobata,A: J.Cellular Bichemistry. 37. 79-90 (1988)
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[Publications] Endo,T.;Nishimura,R.;Mochizuki,M.;Kobata,A.: J.Biochemistry. 103. 1035-1036 (1988)
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[Publications] Kawano,T.;Endo,T.;Nishimura,R.;Mochizuki,M.;Kobata,A: Arch.Biochem,Biophys. (1988)
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[Publications] 木幡 陽: 有機合成化学協会誌. 46. 513-519 (1988)
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[Publications] Amano J.;Kobata,A.: Methods in Euzymology. (1989)
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[Publications] Amano J.;Kobata,A.: J.Biochemistry. (1989)
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[Publications] Kobata,A.: "Progress in Eidocrinology" Excerpta Medica,Amsterdam, 743-748 (1988)
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[Publications] Kobata,A.;Furukawa,K.: "Handbook on Glycopnoteins" Marcel Dekkw Inc, (1989)