1987 Fiscal Year Annual Research Report
ホスファチジルイノシトールキナーゼ活性調節機序の解明
Project/Area Number |
62480454
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
竹縄 忠臣 (財)東京都老人総合研究所, 薬理, 室長 (40101315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 彰夫 (財)東京都老人総合研究所, 薬理, 研究員 (30200588)
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Keywords | ホスファチジルイノシトールキナーゼ / イノシトールリン脂質 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
ラット脳より膜結合性ホスファチジルイノシトールキナーゼの精製をおこなった. 酵素は塩で洗浄した膜をトライトンXー100で可溶化し, 11,183倍にまで精製した. 比活性は150nmol/min/mg蛋白であった. 精製はQセファロースFF, セルロースホスフェイト, トヨパールHW55及びアフィゲルブルーで行い, 分子量は80,000であった. 本酵素はホスファチジルイノシトールだけをリン酸化し, ホスファチジルイノシトール4ーホスフェイトやジアシルグリセロールはリン酸化しなかった. Km値はホスファチジルイノシトールに対して115μM, ATPに対して150μMであり, 活性にMg^<2+>かMu^<2+>を要求した. ヌクレオシド3ーリン酸やヌクレオシド2ーリン酸は活性を著明に阻害したがアデノシン, cAMP, ケルセチンは阻容しなかった. この様な性質のホスファチジルイノシトールキナーゼを精製したのは我々が初めてである. 現在, 大量精製が終り, cDNAクローニングのためのプローブの作成とモノクローナル抗体の作成を始めている. 63年度は遺伝子のクローニングを行ってアミノ酸配列を推定し, 既知の細胞増殖因子受容体や癌遺伝子産物, チロシンキナーゼなどとの相同性, 基質結合部位, リン酸化部位などの考察を行い, 活性調節の分子機序を明らかにしたい.
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[Publications] J.Ishitoya: J.Immunol.138. 1201-1207 (1987)
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[Publications] J.Ishitoya: Biochem.Biophys.Res.Commun.144. 1025-1030 (1987)
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[Publications] M.Kato: J.Biol.Chem.262. 5696-5704 (1987)
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[Publications] H.Kato: Biochem.Biophys.Res.Commun.146. 1419-1424 (1987)
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[Publications] R.Suzuki: J.Biochem.102. 447-450 (1987)
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[Publications] K.Matuoka: Scirnce. 239. 640 (1988)