1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480456
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川喜田 正夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (00012740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 成介 東京大学, 教養学部, 助手 (50143508)
川戸 佳 東京大学, 教養学部, 助教授 (50169736)
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Keywords | 筋小胞体 / 能動輸送 / カルシウム / カルシウムポンプ / ATPアーゼ / 親和性標識 / Na / Hアンチポーター |
Research Abstract |
1.ウサギ骨格筋小胞体のCa^<2+>輸送ATPaseに関して, 以下の諸点を明らかにした. (1)筋小胞体膜を直接サーモライシン消化し, 上清に遊離したベブチドをHPLCで分画することにより, 非特異的凝集を回避しつつATPaseの細胞質領域に由来するペプチド断片を迅速且つ高効率で精製する方法を確立した. (2)IAEDANS またはNーエチルマレイミド(NEM)によってそれぞれ特異的なSH基を修飾し, 上記の方法で標識ペプチドを単離することに成功した. IAEDANSはCys_<674>のみを修飾した. 一方NEMは酵素活性を損うことなしにATPase1モル当り1モルのSH基(SHn)を修飾したが, この時実際にはCys_<344>とCys_<364>が1モル当り各0.5モル反応していることが示され, 両者が近接していることが示唆された. (3)ATPーピリドキサール(ATPーPL)がATP結合部位に特異的且つ定量的に結合し, NaBH_4で還元することにより, ATPaseと不可逆的に結合することを明らかにした. (1)項で述べた方法でATPーPL標識ペプチドを単離し, Ca^<2+>存在下においてLys_<684>が特異的に修飾されることを明らかにし, Lys_<684>とリン酸化部位Asp_<351>が空間的に極めて近接していることを示す結果を得た. (4)スピン標識脂肪酸マレイミド試薬をATPaseに結合させた筋小胞体膜のESRスペクトルがMn^<2+>,Gd^<3+>等の結合に伴って変化することをそを継続中ある. こらの知見はATPaseの構造に関する理解を進展させた. 2.ブタ腎臓刷子縁膜をコール酸, オクチルグルコシド等で可溶化し, 大豆レシチンを用いて, 透析法によってアミロライド感受性Na^+/H^+交換輸送活性をもつ膜小胞を再構成することに成功した. ゲル濾過法, DEAEイオン交換等によって分画し, 輸送体の存在を再構成法によって確認しながら, 輸送体をさらに高度に精製する努力を継続している. 以上, 研究は実施計画に沿って概ね順調に進行している.
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[Publications] Saito-nakatsuka.K: J.Biochem.101. 365-376 (1987)
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[Publications] Yamashita.T: J.Biochem.101. 377-385 (1987)
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[Publications] Kawakita.M: J.Biochem.102. 103-109 (1987)