1988 Fiscal Year Annual Research Report
酵母のミトコンドリアのリボゾーム形成における核とミトコンドリアの協調
Project/Area Number |
62480465
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
磯野 克己 神戸大学, 理学部, 教授 (70011640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 円 神戸大学, 理学部, 助手 (70169853)
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Keywords | 酵母ミトコンドリア / リボソーム蛋白質 / クローニング / 塩基配列解析 / 染色体別の整列クローン / ゲノムの制限酵素地図 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続いて酵母のミトコンドリアリボソーム蛋白質の純化・精製を行うと共に、精製した蛋白質のN末端のアミノ酸配列の決定を行った。その結果、合計16個の蛋白質のN末端のアミノ酸配列を決定することができた。これらのデータの基づいて、DNA合成機によってオリゴヌクレオチドを作成し、サザンハイブリダイゼーション法を利用してそれぞれに対応する遺伝子を同定し、クローニングを行った。これまでに6遺伝子のクローニングに成功し、そのうち2遺伝子(YMRー31,YMRー44)については塩基配列の決定を終え、さらに2遺伝子についても塩基配列の決定をほぼ完了した。前者の遺伝子のうちYMRー44は147塩基のイントロンをもっており、またYMRー31から作られる蛋白質は8残基のリーダーペプチドをもっていることが判明した。後者の2遺伝子はいずれもイントロンをもっておらず、またそれらから作られるリボソーム蛋白質にはリーダーペプチドは見いだされていない。現在、「遺伝子破壊」の手法などを用いて、これらの遺伝子が酵母の成育にとって必須なものであるかどうかの検討を行っている。さらに上記の6遺伝子についてパルスフィールド電気泳動法によって分離した酵母の染色体とのハイブリダイゼーションを行ったところ、全部が別の染色体にあることがわかった。一方、酵母の個々の染色体の「整列クローン」の作成も進み、短い5本の染色体について5割から9割程度を網羅する整列クローンの作成を終えている。そのうち、第6染色体上に上述したミトコンドリアのリボソーム遺伝子YMRー31が存在し、その前後200kb近くの制限酵素地図が完成したので、現在さらに解析を進めている。
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[Publications] Matsushita,Y.;Isono,K.: Mol.Cell.Biol.
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[Publications] Grohmann,L.;Graack,H.-R.;Kitakawa,M.: Eur.J.Biochem.