1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480478
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
川端 晶子 東京農業大学, 農学部・栄養学科, 教授 (30078133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永島 伸浩 東京農業大学, 農学部栄養学科, 助手 (80142496)
澤山 茂 東京農業大学, 農学部栄養学科, 講師 (00078213)
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Keywords | 糊化-老化澱粉のレオロジー的性質 / 数量化理論第II類 / ステップワイズ判別分析 / 静的粘弾性 / 動的粘弾性 / 曵糸性 / クリープ特性 / 見かけの活性化エネルギー |
Research Abstract |
澱粉の微細構造とレオロジー的性質の関係を明らかにする目的で、本年度は、とくにレオロジー的性質について研究を行い、次の結果を得た。 (1)糯米、ワキシーコーン及びキャッサバ澱粉のレオロジー的性質について検討した。澱粉糊の曵糸性では濃度が増すに従って曵糸距離が増加する傾向が示され、ワキシーコーン、キャッサバ、糯米の順にその増加率が大きかった。澱粉糊のクリープ特性では、キャッサバが弾性率、粘性率ともに最も高い値を示した。見かけの活性化エネルギーは糯米38.6、ワキシーコーン28.3、キャッサバ26.3KJ/molであった。澱粉糊の動的粘弾性の周波数依存性では、キャッサバがかなり高い値を示した。ワキシーコーン澱粉は流動しやすく、逆にキャッサバ澱粉は流動しにくく、糯米澱粉はその中間であることが認められた。 (2)澱粉ゲルの物性による類別化を目的として、5種の澱粉ゲルの物性についての官能評価及び機器測定のデーターから判別分析を行った。 官能評価の結果、馬鈴薯は透明感、弾力性があり、くずれにくく、甘甘藷は歯切れがよく、葛は弾力性がなく、とけ易いことが示された。数量化理論第II類を用いて解析し、判別値を求めた。また、機器測定値からはステップワイズ判別分析により類別を行った結果、明確な類別化が可能であった。 (3)根茎澱粉の糊化一老化過程のレオロジー的性質では、キャッサバは馬鈴薯に比べて保存温度にかかわらず老化しにくい傾向が認められた。また、その老化澱粉には、結晶性の回復は殆んど認められず、馬鈴薯にのみ認められた。糊化、老化澱粉の動的粘弾性率ともに一定の割合で増加した。静的粘弾性からは、キャッサバ、馬鈴薯の糊化、老化澱粉の温度依存性は全く異なることが認められた。以上のことから、両試料間では、老化の機構が全く異なることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nobuhiro Nagashima;Masao Yamazaki;Akiko Kawabata.: J.Home.Econ.Jpn.40. (1989)
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[Publications] 永島伸浩,澤山茂,川端晶子,中村道徳: 澱粉科学.
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[Publications] Roberta D.Lauzon;Kayoko Shiraishi;Noburiro Nagashima;Akiko Kawabata.: J.Texture Studies.
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[Publications] 石井靖子,永島伸浩,川端晶子,中村道徳: 澱粉科学.
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[Publications] 白石香代子,永島伸浩,川端晶子: 澱粉科学.
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[Publications] 相川ゑりこ,永島伸浩,川端晶子: 澱粉科学.