1987 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギー(0.5〜1000eV)領域における多価イオンの電荷移行反応の研究
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62490013
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
奥野 和彦 東京都立大学, 理学部, 助手 (70087005)
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Keywords | EBIS多価イオン源 / 多価イオン / 電荷移行反応 |
Research Abstract |
初年度における研究は, 低エネルギー多価イオンの電荷移行反応の研究に必要な小型の多価イオン源の開発に重点がおかれ,次の様な手順で,初期の目的をほぼ達成することができた. 1.小型EBIS多価イオン源の設計・製作. イオン源動作に必要な磁場発生装置を,液体窒素で空芯ソレノイドコイルを直接冷却する新しい方式を採用し,小型化・低電力運転を可能にした. その結果,排気系,コントロール電源を含むイオン源全体を50×50cm^2の架台上に組み込み従来になく小型化に成功した. 2.磁場強度分布特性の測定. カソードおよびコレクター部をμメタルと鉄にて磁気シールドすることで,EBISイオン源動作に必要な磁場の急激な立上がり・立下がりを実現されていることが確認された. 3.小型EBIS多価イオン源の動作テスト. (1).液体窒素自動補給機能も良好に動作し,液体窒素消費量もほぼ計算通りで,1KG磁場発生で1.2l/h程度で充分実用になることが判った. (2).イオン路の真空度は,イオン源動作に必要な10^<-9>Tor台の超高真空も実現できる. しかし,液体窒素導入時に10^<-9>Tor台の微少リークが生じる改善すべき問題がある. (3).このイオン源の動作テストで,バックグラウンドガスの炭素・窒素・酸素のH様多価イオンまでが観測された. 微少リークが改消できれば,裸イオン生成も充分期待できる. リークのある現状においても,He様多価イオンまでの多価イオンならば電荷移行反応断面積測定に必要な強度が得られる. 目下, 微少リーク守消に努めつつ,OPIG実装の複式質量分析計にイオン源を接続,断面積測定準備中.
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Research Products
(1 results)