1987 Fiscal Year Annual Research Report
糖転移酵素の基貭特異性の多様さを決定する分子生物学的メカニズムの解析
Project/Area Number |
62490016
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
成松 久 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (40129581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 眞吾 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (10177446)
安藤 崇男 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (50101902)
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Keywords | 糖転移酵素 / ガラクトシルトランスフェラーゼ / 糖蛋白合成 |
Research Abstract |
ウシcDNAライブラリーより得られた3種のクローン及びfull lengthと思えるクローンすべての塩基配列を決定した. β1ー4Galactosyltransferase(以下β1ー4GT)のfull lengthクローンは398個のアミノ酸OFRをもちN末端に膜結合部と思われる18個の疎水性アミノ酸より成る部位があった. 他の2つのクローンは塩基配列にイントロン様の配列を含み,恐らくスプライシングによって成熟mRNAとなる前の前駆体mRNAより生じたクローンと考えられる. マウスcDNAクローンでもウシと同じ部位でイントロン様配列をクローンが数種得られている. ウシβ1ー4GTcDNAを用いて,ヒト胎盤及びマウスF9細胞cDNAライブラリーをスクリーニングすることにより,β1ー4GTをコードするヒト及びマウスのfull lengthクローンを得て塩基配列を決定した. マウスは399個,ヒトは398個のアミノ酸をコードLN末端にそれぞれ18個の疎水アミノ酸より成る膜結合部をもっている. ヒトーマウス間の相同性はきわめて高く核酸レベルで78%,アミノ酸では86%の相同性がある. C末端部(200〜399)は特に相同性が高く98%のアミノ酸相同性があった. この部分が酵素活性部位或は基質特異性認識部位ではなかろうかと考えている. J.Paulsonらのα2ー6SialyltransferaseのcDNAの塩基配列と我々のマウスβ1ー4GTとの比較の結果,膜結合部及び蛋白cleavage siteにかなりの相同性がみられた. 我々のβ1ー4GTもゴルジ膜或は細胞膜結合型GTと分泌型GTとして活性が検出されることから,蛋白レベルでのcleavageによって両者が産生されるものと思える. ノーザン分析の結果,4.2Kbのバンドが検出され,我々のcDNAがfull lengthであることを確認した. サザン分析ではβ1ー4GTの全ゲノム遺伝子は約35Kbと推定され,このうち10Kbはクローニング済みである. ヒトcDNAのアミノ酸配列より合成されたペプチドを免疫することにより抗血清を作成した. β1ー4GTの細胞内局在や今後の発現系ベクターでの実験にきわめて有用になるものと思える.
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Research Products
(1 results)