1988 Fiscal Year Annual Research Report
Caチャンネル、細胞内Ca濃度、CaNa交換、Na-Kポンプの相互関係の量的解明
Project/Area Number |
62490020
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
安井 湘三 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (50132741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 章道 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (00051491)
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Keywords | ニューロン / Caチャンネル / Na-Ca交換 / Na-Kポンプ / 網膜 / 水平細胞 / 視細胞 / 細胞内Ca貯蔵庫 |
Research Abstract |
本研究の主目的は神経細胞におけるイオン・ホメオスタシスの理解であり、鯉網膜二次ニューロンである水平細胞とザリガニの視細胞の場合を例にCa、NaおよびKイオンについてこれまで調べてきた。即ち、ホメオスタシス系に含まれる要素として本研究で重点的に考慮したのは、膜電位依存性のCa、NaおよびKチャンネル、伝達物質の働きでシナプス電流を惹起するイオンゲート(水平細胞)およびcGMPの作用で光受容電流を発生させるチャンネル(ザリガニ視細胞)、そしてこれらを補償してイオン量調節の主役を演じるNa/Ca交換、Na-Kポンプさらに細胞内Ca貯蔵庫などである。Na/Ca交換、Na-KポンプならびにCa貯蔵庫の存在を単離水平細胞標本を使って前年度までにすでに立証したが、本年度は主に定量的側面からこれらを膜電位固定下で掘り下げ、以下の主要結果を得た。(ザリガニ視細胞についての成果報告は省略)。 1.Na/Ca交換比は、Na:Ca=3:1である公算が大である。陰圧を利用した高速外液置換法を用いてCo^<2+>投与とLi置換による迅速なNa-free化を実現し、電流応答の初期振幅比を測って求めた。ジャンクション電流に悩まされて例数はまだ少ない。 2.Co^<2+>はCaチャンネルだけでなく、恐らくNa/Ca交換をもブロックする。前出の実験におけるデータの時間依存性を調べて推察された。 3.Ca貯蔵庫の容量は数mMと実に高いことが分かった。Na-freeでNa/Ca交換を止めた後、Caチャンネル不活性化が起こるまでに流入したCa電流の総積算量を求めることによって推算した。 4.前年度に報告したカフェインで誘起される一過性の三角波状膜電流は、細胞内Ca^<2+>放出によるCaゲート不活性化とそれに続くNa/Ca交換の増強を反映している可能性が膜抵抗の測定から示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Yasui.: Biomedical Research. 9(suppl.2). 119-123 (1988)
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[Publications] S.Yasui.;M.Yamada.: Experimental Biair Research. 74. 256-262 (1989)
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[Publications] S.Yasui.: Journal of the physiological Society of Japan. 50. 373 (1988)
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[Publications] S.Yasui.: Proc.XXXI International Congress of Physiological Sciences. (1989)
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[Publications] M.Yamada.;S.Yasui.;M.B.M.Djamgoz.: Proc.XXXI International Congress of Physiological Sciences. (1989)