1988 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原菌が生産する感染誘導物質に関する化学的・生化学的研究
Project/Area Number |
62490022
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
河野 芳樹 理化学研究所, 植物生活環制御研究室, 副主任研究員 (90087578)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 義勝 理化学研究所, 植物生活環制御研究室, 研究員 (00087579)
|
Keywords | 感染誘導物質 / 植物病原菌毒素 / 宿主特異的毒素 / HMT-毒素 / PM-毒素 / ACTG-毒素 / HV-毒素 / 構造-活性相関 |
Research Abstract |
前年度の研究の継続として、植物病原菌の生産する感染誘導物質である宿主特異的毒素を中心として広く植物病原菌が宿主植物を選択する機構を化学的に明らかにすることを目的に以下の研究を展開した。 1.燕麦のVictoria blight病の病原菌であるHelmintnosporium victoriaeの生産する宿主特異的毒素HV-毒素Mの構造を明らかにしてきたが、さらに微量成分ではあるが非常に活性の強いHV-毒素Hが先に報告されているvictorinCと同一物質であることを明らかにした。又他の微量成分の抽出精製を行うことにより構造活性相関に関する知見、生合成に関する知見が得られるものと期待して研究を継続している。 2.トウモロコシのゴマ葉枯れ病菌が生産する宿主特異的毒素、HMT-PM-毒素に関する合成的研究を行い、各種化合物の生理活性を詳細に比較検討した結果、環状構造が活性発現に必要なコンフォメーションであろうと推定される段階に到達した。今後推定したコンフォメーションをより正確なものとする為に関連化合物の合成を継続している。 3.樹橘類の一品種、Drncy tangerineに褐斑病を行う病原菌、Alternuria citrlの生産するACTG-毒素8種類に関して構造活性相関の知見を得る為の準備を継続するとともに他の類緑化合物への誘導も検討中である。 4.さらに他の植物病原菌の宿主選択機構の解明を目的として稲のイモチ病の病原菌、pyricularia oryzaeの培養を行ったが毒性物質として既知化合物のテヌアゾン酸の分離同定を行ったに止まった。また稲の葉中のプロヒビチン、ファイトアレキシン等に関する研究を継続している。今後感染誘導物質の知見を得る為にさらに予備的実験の蓄積が必要となっている。 当該年度における進展を基盤としてさらに深く感染機構の解明へと進展させるべく研究を継続しております。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 鈴木義勝: Phytochemistry. 26. 687-696 (1987)
-
[Publications] 鈴木義勝: Agric.Biol.Chem.52. 15-24 (1988)
-
[Publications] 関戸治知: J.Pesticide Sci.12. 739-740 (1987)
-
[Publications] 河野芳樹: Agric.Biol.Chem.53. 505-511 (1989)
-
[Publications] 河野芳樹: J.Pesticide Sci.
-
[Publications] 木下武: Agric.Biol.Chem.
-
[Publications] 河野芳樹: "柴田承二 編第2章2-3宿主特異的毒素(続)生理活性天然物質" 医歯薬出版株式会社, 73-81 (1988)
-
[Publications] 河野芳樹: "NATO ASI series,Vol.H-27"Phytotoxins and Pathogenesis""Structural studies on the host-specific pathofoxins from corn blight and citrus brown spot disease"" Springer-Verlag, 7-21 (1989)