1988 Fiscal Year Annual Research Report
サンスクリット絵画論とインド古代壁画ーー理論と実際ーー
Project/Area Number |
62510031
|
Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
定金 計次 京都市立芸術大学, 美術学部, 講師 (40135497)
|
Keywords | 古代インド / 壁画 / 絵画論 |
Research Abstract |
本年度は研究計画の最終年に当たるため、研究成果を纏めることに努めた。昭和62年度の科学研究費補助金によって作成したアジャンター壁画の焼付写真を詳細に観察・検討して、現地における観察結果と照合しながら、出来る限り正確な壁画技法の解明を目指した。同時に、アジャンター壁画が如何なる表現方法を取っているかについても探求した。それと並んで、既に翻訳を完了した『ヴィシュヌダルモーッタラ・プラーナ』絵画論との対応関係を究明した。またアジャンター壁画以外のインド古代壁画および中世壁画との関連も追求した。その具体的結果は研究成果報告書にある通りであるが、従来解明されることの無かったアジャンター壁画ひいてはインド古代壁画の技法・表現上の特質が明らかにされ、サンスクリット絵画論との関係も、一面でかなり深いことが確認された。これによって、インド絵画の伝統が、既に古代壁画によって完全に基礎付けられていたことが明らかとなった。以上の成果を報告書として印刷・製本し、関係する研究機関と研究者に配布した。
|