1988 Fiscal Year Annual Research Report
自発生瞬目を指標とする覚醒・活動水準に関する心理生理学的研究
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62510040
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
針生 亨 秋田大学, 教育学部, 教授 (40006581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 冨美雄 関西鍼灸短期大学, 講師 (50183687)
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Keywords | 自発性瞬目 / 瞬目潜時 / 瞬目率 / 瞬目波形 / 覚醒水準 / 催眠 / 監視作業 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に実施した覚醒水準と瞬目活動の関係を検討した2つの実験のデータを詳細に分析するために、データ処理プログラムの開発を行い、瞬目潜時の計測援助プログラム、瞬目波形自動解析プログラム、ならびに脳波解析プログラムを完成した。これらの処理プログラムを用いてデータ解析を進め、以下の知見を得た。覚醒監視作業下瞬目活動に及ぼす心的負荷、発声および課題従事時間の効果を検討した実験1の資料について、瞬目潜時と瞬目波形を分析した結果、心的負荷が増すと刺激提示後の初発瞬目潜時は有意に延長し、また、標的文字施行での瞬目潜時は非標的施行での潜時を100〜250ms上回った。短時間で推移する覚醒水準の変動に対応して、瞬目発生のタイミングが変動することがわかった。また、心的負荷が増すと立ち上がり・立ち下がり速度と振幅が有意に低下した。監視作業の課題要求に応じて、瞬目ゆるやかな立ち上がりで低振幅の波形に変化することがわかった。覚醒水準の指標として計測した脳波の周波数分析(FFT)プログラムを開発し、目下覚醒水準の詳細な検討を試みている。また、催眠誘導下監視課題での瞬目活動を検討した実験2についても、実験1と同様のデータ処理を計画しているが、瞬目波形が多様で、データ処理アルゴリズムの再検討が必要な現状である。2つの実験データの詳細な解析から、覚醒水準の指標として瞬目活動は有効な生理心理学的指標となた得ることがわかった。すなわち、本実験のような分離試行課題下の資料では、瞬目潜時が有効な指標となると言える。さらに、連続試行課題下にあっては、従来から多用されている瞬目率測度だけではなく、瞬目波形の各種測度、すなわち振幅、持続時間、ならびに立ち上がり・立ち下がり時間なども分析する必要があることが示唆された。今後催眠イメージ課題を用いた連続試行課題での瞬目波形の検討が期待される。
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Research Products
(2 results)