1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62510062
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Research Institution | Sapporo Medical College |
Principal Investigator |
竹川 忠男 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50045366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 尚史 旭川医科大学, 医学部, 教務職員 (80193556)
中村 浩 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20136956)
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Keywords | 聴性誘発反応 / AER / 事象関連電位 / ERP / P300 / 周波数変化音 |
Research Abstract |
周波数変化音に対して得られる聴性誘発反応と、周波数変化の検知との関連を検討した。周波数変化の検知時点を推定するため、被験者に検知後できるだけ速やかにボタン押し反応をするよう教示して実験を行い、同時に、誘発反応を求めるため脳波を記録した。この手続で実験を行うと、誘発反応に優勢なP300成分が記録され、潜時の短いN_1やP_2成分が影響を受け、波形に歪が生じて成分の潜時や振幅を正確に測定できなくなってくる。そこで、われわれはこの影響を排除するために、ボタン押し反応を、周波数変化の検知後直ちに行なわせるのではなく、ある一定時間経過後に遅延して反応させることにした。しかし、この方法を用いると、変化を検知した時点を推定する上で不可欠の、ボタン押し反応時間を得ることができなことになる。この問題を解決するため、われわれはボタン押し反応を検知後直ちに行わせる条件での結果と、遅延して反応させた条件での結果を比較することによって、ボタン押しによると思われる成分を取り除く方法で対処することにした。一方、反応を遅延させることに伴ない、周波数変化の方向を一定時間記憶しておかなければならないので、記憶等の精神機能が誘発反応に関与することも想定される。そこで、呈示された周波数変化音の変化の方向をカウントさせる条件での実験を行い、反応を遅延させたことによる影響についても検討した。これまで実験を総合して結論づけると、周波数変化の匂配が急になるほど誘発反応、特にN_1成分の潜時は短くなり、その潜時はボタン押し反応の反応時間と対応することが確認された。さらに、周波数変化の検知は、周波数弁別事態を扱った選択的注意の問題とかかわりのあることが示唆されたので、これについて調べたところ、注意や予期によって反応の大きさが相違することが認められ、刺励音呈示系列作成に充分な注意を払わなければならないことが示された。
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Research Products
(2 results)