1987 Fiscal Year Annual Research Report
限定された状況文脈における認知的情報処理過程のコンピュータ・シミュレーション
Project/Area Number |
62510077
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
牧野 義隆 中京大学, 文学部, 助教授 (70065241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 正直 中京大学, 文学部, 教授 (40000525)
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Keywords | 自然言語処理 / 日常会話 / 認知システム / 発語行為 |
Research Abstract |
1.北海道大学文学部行動科学科において開発された日常会話システム(通称NENEシステム)関連のソフトウェアの重要部分を若干の改訂を加えて中京大学におけるSUN-3を基盤とするコンピュータ・システムに移植した. 2.日本語会話文の構文・意味解析研究 次のような諸点に焦点をおいて, 日本語会話文の構文・意味解析研究を行った. 2.1情報格構造の整備:NENE計画において作成されたパーザー用情報格構造の再整理改編作業を行い, 日本語文の特性を生かして, できるだけ原文の複文構造以上の複文構造が情報格表現上に現われないようにした. 2.2動詞の情報格支配:日本語会話文の構文・意味解析を進めるためには, 各動詞がどのような表層格群をどのような情報格的意味で使用するのかに関する分析が不可欠である. この調査を重要動詞群を対象にして行った所, ほぼ動詞意味の階層構造に対応すると考えられる階層構造が格支配に関しても得られることが判明した. この研究は今後会話文の構文・意味解析機構の開発を進めるにあたって非常に重要なステップをなすものと考えられる. 3.日本語会話文産出機構の研究 日本語会話文の産出にあたって特に重要なのは, 通常, 会話文の命題部分の後に現れる, 発話者の当該命題及び対話者に態度を表明する部分である. この部分の形式は, 発話意図の情報格表現におけるATTITUDEおよびPARTNER格の内容によって決定され, またその内容は発話者の対話者に対する社会的感情的関係の認知と発話意図に大きく依存する. 命令・要請発話意図に関して研究が進められ, ほぼコンピュータ上にインプルメント可能な段階に到達することができた.
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