1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62510078
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
浜 治世子 同志社大学, 文学部, 教授 (60066107)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 義則 同志社大学, 文学部, 教授 (10066045)
|
Keywords | 感情 / セントグラム / セントグラフ / 圧力パターン / 喜び / 悲しみ / 怒り / 怒り |
Research Abstract |
第1実験 顔面表情画によって生じる感情喚起と手指で表出される圧力パターンとの個人差を検討した. 刺激材料は, 線画による4種類の表情画と3種類の非表情画である. 怒り, 喜び, 悲しみ, 無感情を表情画とし, 二重楕円, 楕円を非表情画とした. 各刺激を各被験者に4秒間, カラーテレビモニターで提示した. そして被験者には, セントグラフ(手指の圧力を測定する装置)のボタンに指をのせるよう教示し, 各刺激提示ごとにボタンを押させた. 結果の分析は, データレコーダにセントグラムの垂直成分, 水平成分, 刺激提示のトリガーを集録したものを解析した. その結果, セントグラム開始点から終了点までの時間と圧力最大値の間に有意差が認められた. 各感情ごとのセントグラムの分析の結果, 個人差が大きいことが見い出された. とくに有意に個人差のみられた変数は, セントグラム開始から終了までの時間と垂直方向の圧力最大値であった. 第2実験 第1実験の結果をふまえ, 顔面表情画と非表情画を提示された際に被験者に喚起される感情と手指で表出される圧力パターンを自己評定の測度を併用しながら考察することを目的として行なわれた. 刺激材料及び装置は第1実験と同じものである. 各被験者に, 各刺激に対して喚起された感情と手指にこめながらセントグラフのボタンを押すように教示した. また各試行終了後, 感情の自己評定を求めた. 実験の結果, 怒りと悲しみの間におけるセントグラムに有意な差がみられた. また, 典型的なセントグラムにおいて, 怒り, 悲しみ, 喜びにおける開始点が一致する傾向がみられた. これらの結果を考察すると, Clynesの主張した各感情の内的脈波(inner puls)の仮説を支持することができよう. さらに, 圧力最大値における, 無感情と二重楕円にみられる有意差は1実験の目的の検討にも示唆を与えるものである.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 浜 治世: 心理学評論. 32. (1988)
-
[Publications] 浜 治世: "感情の心理学" サイエンス社, (1988)
-
[Publications] 浜 治世: "応用心理学講座10巻 憂うつの病理" 福村出版, (1989)