1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62510082
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田中 重好 弘前大学, 人文学部, 助教授 (50155131)
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Keywords | 社会移動 / 地域移動 / 生活史 / 同郷組織 / ライフ・スタイル |
Research Abstract |
本研究の一方の柱である, 地域移動に関する理論的研究としては, 従来の社会移動論の研究成果をリヴューしながら進めてきた. その全体的な検討結果は報告書に譲るとして, 以下に関連する限りでの, ここから得られた知見は, (1)移動過程の研究に比べて, 移動後の社会的プロセス(個人に即していえば, 移動後の定着化のプロセス)に関する研究が少ないこと, (2)定着化プロセスを実証的に研究してゆく上で生活史法やライフコース研究法が援用できること, であった. 他方の柱である実証的研究は以下の項目に進められてきた. 1.移動の出発点として設定した青森県黒石市の地域社会構造の変化を主にインタヴューと統計資料によって明らかにしてきた. 2.移動・定着にかかわる組織として, 黒石市市長室, 青森県人会, 東京黒石会へのインタヴューやその組織の歴史的資料の整理・分析を進めた. 3.県人会・東京黒石会を窓口として調査対象者の具体的な固定をおこない, 主に生活史法によりインタヴュー調査を進めてきた. このインタヴュー記録は現在, 整理中である. また, 移動者だけではなく, 黒石生まれの東京生活者でUターン層や黒石残留(定住)層にも, 対象者も広げつつある. こうしたインタヴュー記録の分析は現在進行中であるが, 以下の点に注目しながら分析を進めてゆきたいと考えている. (1)移動・定着にともなうライフ・スタイルの変化に注目する. (2)移動・定着過程のなかでの, 同郷者を含む社会関係のネット・ワークに注目する. (3)こうした過程のなかでの, 故郷とのつながりはもちろん, 故郷観と東京観の変化に注目する.
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