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1988 Fiscal Year Annual Research Report

現代の村落生活における集団構成と近隣関係に関する実証的研究

Research Project

Project/Area Number 62510084
Research InstitutionAkita University

Principal Investigator

松岡 昌則  秋田大学, 教育学部, 助教授 (70111242)

Keywords地域社会関係 / 村落内諸集団 / シンセキ / 近隣関係 / 生活互助 / 現代村落
Research Abstract

昭和62年度に引き続き、住民にたいする面接調査を継続した。福井県坂井郡坂井町高柳の場合、農業生産は個別的対応で行われ組織性をもたず、村落全体としての関与も現在ではほとんどなく、農外就業をめぐる社会関係も恒常的なものはない。これにたいして生活をめぐっては組織的対応が行われるが、現代においては班が平等に村落機能を分けあうことから、部落と住民の間に班を介在させ、近隣交渉にもとづく定型的な集団として機構化することによって、生活協同の持続をはかり、住民の組織体として再編成しつづけている。それは村落を縦横にはしるシンセキや個人的仲間関係・生産協同の仲間をはなれて、一律平等に村落生活のなかに参加せざるを得ないものとして存在し、村落住民の家に帰属しまた個人的な力能にかかわる村落内関係をチェックする機能をももつことが見いだされた。また、村落としての高柳は、そうした近隣組二班を基体とした生活交渉の外縁として運営され、外社会への対応基盤となっていることを検証した。宮城県伊具郡丸森町田林の場合、住民は二つの行政区にとびとびに分属し、村落組織は部落会としての契約会関係と行政関係を分け、自治的な生活部分を明確に区別している。この自治の側面は「田林契約会」として全体が統括され、村落行事をはじめ、生活のすみずみにわたる相互扶助の内容と形式が決められ、家々の生活を契約一本で補完しようとする姿勢が強く、脆弱な生産・生活条件のなかで、平等原則が村落生活に貫かれていることが明らかになった。また、契約会が多くの生活場面を律しているのにたいして、その他の契約会が関与しない生活をめぐる関係は、個別的な日常的生活交渉としてあらわれ、交渉の組織性や恒常的関係性に乏しいものの、そこでの内容はきわめて個人的な精神的援助を多く含み、村落生活の維持にとって重要であることが実証された。

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Published: 1990-03-20   Modified: 2016-04-21  

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