1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62510096
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
石川 到覚 大正大学, 文学部, 講師 (50119400)
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Keywords | 精神障害者福祉 / 地域ケア / 地域ケアシステム / 地域作業所 / ボランティア / 生活保護施設 / 自助組織 |
Research Abstract |
本研究の視点は, 精神障害者福祉の確立のための基礎研究として, 主に, 精神障害者の地域ケアがいかなるシステムによって体系づけられるかを研究課題の中心にすえている. そこで, 次の7点の地域ケアのシステム化を構想しながら研究を継続している. (A)精神障害者のための居住システム. (B)地域拠点としての作業所をコアとするユニット・システム. (C)セルフ・ヘルプ・グループ活動の支持システム. (D)ボランティア育成活動とビューロー・システム. (E)地域生活上の危機介入と代弁組織システム. (F)職親および雇用制度システム. (G)社会保障制度と地域ケア・システムとのリンケージを柱にした. (A)の居住システム(ホームレス問題)は, 生活保護施設(救護施設)を中心にした調査研究をすすめ, 次年度, 全国の施設調査を実施する. (B)地域作業所をコアとするシステムは, 神奈川県の全作業所調査を実施して, 利用者の生活調査および作業所運営と地域とのかかわりについての調査を行い, 研究協力者とともに集計・分析中である. (C)は(B)と同一地域の患者会を活動事例として分析しつつ, 当事者が求める支持システム(今年度は情報活用システム)を構想・検討中である. (D)ボランティア育成研究(6年間の実績)をふまえて, ビューロー機能の解明と各活動の組織化の方案や具体的課題をまとめつつある. (E)は我が国に導入をはかるためのモデルとして, 米国などの資料から, 実践可能性をさぐるべく, システム化の構想を検討中である. (F)は職親制度を鍵システムととらえ, 各自治体動向を整理して問題点と課題を分析している. (G)は全体の構想を求めるため, (A)から(F)の各システムの構想が明確化された段階で試案を提示するにとどめる. 以上, 7つの柱は, 未だ研究継続中であって, 実証的資料の分析を含めて次年度その成果を報告する.
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