1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62510102
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Research Institution | BUKKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
満田 久義 佛教大学, 社会学部, 教授 (60131306)
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Keywords | 湖水環境 / 環境社会学 / 環境倫理 / 伝統的漁村 |
Research Abstract |
昭和63年度の調査研究としては、志賀県湖北町尾上地区全世帯93名を対象に、伝統的漁村集落における住民の湖水環境との関わりや評価について面接調査した。その結果、尾上地区には「おこない」にみられるように伝統的な文化が根強く残っており、そして、住民の高い定着性とともに、湖水環境を守る村落社会の共同的な規範も存続してきた。漁民と非漁民との環境意識を比較したところ、一般論としては全く差がないのに、個別論で直接、利害関心が関連するような項目については両者に大きな差がみられた。そして、近年の漁業の衰退と都市化の進展は、この伝統的な漁村社会に存続してきた環境倫理を押し流し始めている。とくに、この文化的な変化は、物理的原因以外の湖水汚染のもうひとつの原因となっている。ここに、DuncanのPOETSモデルの典型を実証することができる。今後の町づくりと環境保全との関係を問うたところ、観光開発への強い要望が示された。この観光開発に対する態度は、漁民と非漁民、さらに、漁民の内部でも遊漁民と定置網関係者で意見が異なっている。今後、町づくりをすすめていく上で大きな障害となる。
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Research Products
(1 results)