1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62510135
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三好 信浩 広島大学, 教育学部, 教授 (60033578)
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Keywords | 産業啓蒙 / 工業教育 / 農業教育 / 商業教育 / 産業教育 |
Research Abstract |
本研究は, 近代日本が産業国家として発達した際, 西洋の産業に関する知識や技術を奨励したり実践したりする, いわゆる産業啓蒙家の実績について, (1)その総合的な人名リストを作成するとともに, (2)それらの産業啓蒙家が日本の産業の近代化に果たした役割を解明することを, 主要な目的とする. 第1の課題は, 悉皆的調査による一般的傾向の把握を目標にし, 第2の課題は, 事例的研究による分析の深化を目ざして研究を進めた. 本年度は, そのための資料調査を中心的な作業とした. 特に東京の図書館(国立公文書館, 国立国会図書館, 外務省外交史料館, 東京大学総合図書館その他)に所蔵される, (1)国政次元の産業啓蒙家の公文資料, (2)府県段階の産業啓蒙家の関係資料, (3)中央および地方で活躍した御雇外国人に関する資料の収集にあたった. 当初の予想をはるかに越える資料が所在していたため, その調査と関係部分の書写および複写にかなりの精力を費した. 研究経費もまた, 東京への出張旅費と資料複写費にかなりの部分を充当した. 特に複写費が当初の計画をかなり上回わる結果となった. 全国を6ブロックに分けて, 府県立・市町村など公立図書館に所蔵される地方での産業啓蒙家の活躍状況に関する資料調査は, 上記のように在京の資料調査に手間どったため, 十分に所期の目的を果たすことはできなかったため, 次年度の課題としたい. 本年度は, 近畿と関東甲信越の府県立図書館を一巡して, 主要な資料の所在を確かめ, 関係部分の複写をなした. 本年度収集した資料については, その整理を進め, 人名カードを作成した必要事項の記載を進めたが, この作業も次年度に継続することになる. 目下資料収集の段階であるため, 歴史的・理論的な考察は今後の課題となる.
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Research Products
(1 results)