1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62510144
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
多田 建次 玉川大学, 文学部, 助教授 (10105083)
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Keywords | 廃藩置県 / 学制頒布 / 福沢諭吉 / 共立学校 |
Research Abstract |
副題を, 「廃藩置県前後における福沢諭吉をめぐる地方の教育動向」とする. 14年前からこのテーマにとりくみ, 貴省補助金の交付をうけて研究をすすめ, これまでに長岡洋学校・横浜高島高校・和歌山共立学舎・大分小校・慶応義塾, および咸宜園などをとりあげ, すでに10数編の論文と10数回にわたる学会発表をとおして, 調査結果を学界に報告してきた. 本年度はこれまでの研究成果をふまえ, 北海道開拓使学校・弘前東奥義塾・長崎明倫館・大江義塾・熊本洋学校・中津市学校・福山藩学制改革・三田藩洋学校・京都番組小学校・京都慶応義塾に対象をしぼり, 当該地域の図書館・文書館・史料館等において, 関係新史料の調査と収集をおこなった. 今回訪問した機関は, 北海道立図書館・北大図書館・北九州市立中央図書館・福岡県立図書館・長崎県立図書館・熊本県立図書館・八代市立図書館・福山市立図書館・福山城内文書館・三田市立図書館・京都府立総合資料館, および慶大図書館・同福沢研究センター・国立国会図書館・国立公文書館・東京都公文書館・謙堂文庫などである. 大江義塾・咸宜円・廉塾・適塾・古義堂・鈴の屋など近世塾も実地におとずれて関係文献の調査にあたった. 調査研究の結果は裏面に記載した著書論文, 2度にわたる学会での口頭発表として報告した. このうち『日本近代学校成立史の研究』は, これまでに公表した諸論考を集大成したものである. これによって福沢諭吉と地域とのあらたなむすびつき, それにともなうあらたな教育のこころみがあきらかとなった. 「京都集書院と福沢諭吉」も, 福沢の新史料と目される「集書会社基本」の考証をとおして, 京都の図書館創設にはたした福沢の役割と意義とをあきらかにした. 従来学制と福沢の教育思想は一体なものといわれてきた. 「長冰編『学制一覧』」では, 両者の相違点を念頭におきつつ, 学制にかかわる新史料の紹介をおこなった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 多田 建次: 福沢諭吉年鑑. 14. 88-134 (1987)
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[Publications] 多田 建次: 玉川大学文学部紀要論叢. 28. 1-37 (1988)
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[Publications] 多田 建次: "日本近代学校成立史の研究" 玉川大学出版部, 488 (1988)