1988 Fiscal Year Annual Research Report
樺太アイヌの未発表古資料の復元と翻訳-和田文治郎及びB.Pitsudskiの草稿と現地調査資料に関する研究-
Project/Area Number |
62510156
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
和田 完 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80002848)
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Keywords | アイヌ / 樺太アイヌ / サハリン・アイヌ / ブロニスワフ・ピウスッキ / ピウスッキ |
Research Abstract |
昭和62年度の本研究において、小樽商科大学で「ピウスッキ資料」の復元作業に研究助力者として協力していたJ.バィンチェロフスキ教授(ボーランドアダムミッキェヴィチ大学、言語学研究所長)が昭和63年4月に帰国後、復元ずみの原稿をより正確にするため同教授と書面、電話等で引き続き密接な連絡を保った。即ち、本研究で使用した資料は、ポーランドで乾式複写機により複写したコピーであるため、アダム・ミッキェヴィチ大学に所蔵されている原典に当たり、再度、我々の復元原稿を確認する必要があった。幸いにもコピーでは確認不能であった若干の箇所が、原典との参照で明らかになった。この間、小樽では復元原稿に基づき翻訳作業を行った。翻訳は、資料のより国際的利用の便宜のため英文によるものとした。この復元資料と英文訳は、北海道大学、北方文化研究施設紀要「北方文化研究」に『B.Pitsudski草稿「アイヌの祈り」』として所蔵される。(同紀要、第20号、33〜69頁。現在校正中) 和田文治郎資料については、その通過儀礼に関する遺稿を整理中であるが、解読困難な箇所が多く、作業はいまだ継続中である。しかし、ある程度の整理が完了次第公表すべく努力している。なお、本研究期間中に、和田文治郎資料に混入していたカトリック司教B.アレクサンドル著のアイヌ語で書かれた『カトリック要理(教養問答)』を発見した。きわめて貴重な資料であるため、本研究の一環として整理を進めており、作業終了次第「国立民族学博物館研究報告」に発表する予定である。
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Research Products
(2 results)