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1988 Fiscal Year Annual Research Report

西南日本における鉄器・加工技術の比較民俗学的研究

Research Project

Project/Area Number 62510159
Research InstitutionOkinawa Prefectural University of Arts

Principal Investigator

朝岡 康二  沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 教授 (60072162)

Keywords鉄器文化 / 鍛冶技術 / 諸職 / 職人文化 / 技術伝播 / 民俗技術 / 寄留職人 / 沖縄文化
Research Abstract

二ケ年に旦り、九州(主として薩摩半島)と沖縄(沖縄本島および宮古島とその属島、石垣島とその属島)の調査を行なった。薩摩半島に関しては、坊津町の周辺、秋目などに点在する農鍛冶、枕崎の鍬鍛冶、そして、加世田鍛冶のそれぞれの出自、技術様式の差異に注目して聞取り調査を行なってきた。その上で奄美諸島における渡来鍛冶職人のもたらした技術の比較を行なったのだが、その結果、奄美諸島においては、薩摩側からの影響ばかりでなく、沖縄からの影響も強いことが明らかになった。
沖縄本島の調査は、本島での鍛冶経験者が離島に移住している例が多いために、各離島を回る聞取り調査によって、過去を再現することに務めた。宮古島と石垣島とに関しては、たびたび現地に行き現在の鍛冶屋の仕事場の実測図を作成、過去の仕事場を聞取りによって複元し作図し、その変容を明らかにした。
先島の離島に関してもほとんどの島で具体的な情報がないため、これも3〜4日位かけた聞取り調をくりかえし、島によっては数回足をはこんだ。その結果、石垣に沖縄本島より山原鍛冶屋が寄留してくることより、この地域の鉄器をめぐる状況が大幅に変化したことが明らかになった。また、その以前における離島の鍛冶習俗を複元しえたのである。
本研究は一方で技術的領域にたちつつ、一方では村落社会における諸職の存在形態を明らかにしようとするものであったが、その伝承的形態は琉球王府、あるいは薩摩の職人支配形態と深く関わり、すぐれた歴史的なものであることが明らかになった。このため文献的研究を行なう必要があり、沖縄における文献史料の不足、などにより、この部分は現在も続行中である。その上で、今後、寄留をめぐる都市形成と職人の関わりに展開していきたいと考える。

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Published: 1990-03-20   Modified: 2016-04-21  

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