1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62510200
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
東出 功 北海道大学, 文学部, 教授 (30041875)
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Keywords | 聖職者官僚 / 俗人官僚 / ロンドン聖マルティヌス大聖堂 / 王立自由礼拝所 / 教会参事会 / 聖職祿 / 官僚の給養財源 / 国王行政 |
Research Abstract |
本研究の中心課題にそくしていえば、前年度に引き続いて聖職者官僚・俗人官僚の双方について同時並行的に基礎カードの作成作業を継続し、俗人官僚については作業が遅れているものの、聖職者官僚についてはほぼ予定の水準にまで到達した。この作業全般の成果の集約は新年度すなわち本研究の最終年度の課題であり、現時点ではその成果への言及を控えたい。 本年度の具体的な成果としては、王立自由礼拝所の"憲法"的側面について別記論文「中世イギリスの『王立自由礼拝所』--J.H.デントンの所説に関する覚書」(上・下)の原稿を完成したことがあげられる。そのほかに「<再説>ロンドン聖マルティヌス大聖堂--J.H.デントンの所説に関する覚書」の原稿も近く完成の予定である。聖マルティヌス大聖堂が王立自由礼拝所の代表例であることは、昨年度の報告書で指摘の通りであり、またこの報告書では王立自由礼拝所と本研究との関連についても示唆されているので、ここではそれを反復しない。 なおデントンの著書とは1970年に刊行されたもので、もはや新しい研究とは見なしえないが、王立自由礼拝所の"憲法"的側面については今日においてもほぼ唯一の文献であり、またわが国ではこれまでほぼ完全に無視されていたものである。デントンの問題関心は、なるほど本研究の意図と明白に異なっている。しかしデントンの著書は本研究にとっても多くの貴重な情報を含んでおり、その情報の整理は不可欠の作業であった。またこれらの情報は単に本研究のみに留まらず、わが国の他の研究者にも有益であろう。デントンの所説の整理・紹介に当っては原史料の参照が不可欠であり、今回の交付金による購入史料はこのためにも有効に利用された。
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[Publications] 東出功: 東海大学札幌教養部彙報. 第7号. 157-169 (1987)
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[Publications] 東出功: 第62号. 55-88 (1988)
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[Publications] 東出功: 北海道大学文学部紀要. 第63号. 51-99 (1988)
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[Publications] 東出功: 北海道大学文学部紀要. 第64号. 1-33 (1988)
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[Publications] 東出功: 北海道大学文学部紀要. 第65号. (1989)
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[Publications] 東出功: 北海道大学文学部紀要. 第66号. (1989)