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1989 Fiscal Year Annual Research Report

萬葉集本文の校訂と異訓の調査

Research Project

Project/Area Number 62510232
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

井手 至  大阪市立大学, 文学部, 教授 (40046884)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 村田 正博  大阪市立大学, 文学部, 助教授 (60140464)
毛利 正守  大阪市立大学, 文学部, 助教授 (70140415)
Keywords萬葉集の本文 / 萬葉集の訓 / 本文枝勘 / 異訓蒐集
Research Abstract

萬葉集の本文と訓法について、本年度は巻13から巻20までに見える和歌につき、逐一検討を行った。すわなち、本文校勘に基づく異文の比較研究と異訓の蒐集、取捨選択を通じて、萬葉集歌の正しい本文と訓みとの定立につとめた。
一例をあげれば、巻16の3811の第14句「身尓染保里」は、代匠記が「身尓染登保里」の誤字と見たが、これは、当時「等」を「求」と記していたことから、もと「身尓染求保里」(「ミニシミトホリ」)とあったのが、「身尓染保里」と写され、重点を脱したもの、3837の第5句「玉尓似将有見」は、「将」と「有」との草体の酷似からきた誤写で、原文は「玉尓似将有見」であったであろう。3847の第3句「弖戸等我」は、もと「里長我」であったのが「里〓我」、さらに「弖戸求我」のように誤写されたものと考えられる。また巻19の4214の第55・56句目の「梓弧爪夜音」については、原文が「梓弓爪引夜音」であったのに、「弓」と「爪」とが扁と旁として一字化し、「引」が重点に誤ったために生じた誤文であったかと思われる。
また、巻19の4156の第8句「流辟田乃」は、「ナガルルサキタノ」と訓むと通則に外れた字余り句になる。そこで巻7の1142の「石流」(「イハバシル」)などの例を参考にして、「ハシルサキタノ」と訓読するのが最も穏やかであろう。4160の第25句「朝之咲」は、「アサノエミ」と読むのが通例であるが、次句の「暮」(「ユフヘ」)と対比させて「アシタノエミ」と訓読するのがよい。
巻13の3332の第6句「然真有目」についても、神宮文庫本などに「然直有目」とあるのに従って通常「シカタダナラメ」と訓まれているが、巻11の2813「真毛君尓」(「マコトモキシユ」)などの例によって「シカマユトナラメ」と訓むことができるように思われる。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 井手至: "弩牙ー『万葉集』3番歌の表現をめぐって引く" 松田好夫追悼論文集『万葉学論攷』. (1990)

URL: 

Published: 1993-03-26   Modified: 2016-04-21  

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