Research Abstract |
61年度の研究によって入力された『玉塵抄』巻一のデータに, 校正を加え, 併せてデータ形式を再検討した. この結果, 朱引に就ては, 煩雑な原稿の原因であるだけでなく, 入力し終った段階で, 整形したデータ形式としても, 複雑で読みにくい出力となる事が明らかになったので, これを削除(無視)する事と方針を変更した. その他の点は61年度の形式をほぼ踏襲して, 巻七の原稿化を行い, 入力し, 昨年度同様索引を作成した. しかし, この過程で, 過年度より一貫して維持して来た線状的(linear)データ形式の限界が明らかになり, 多次元の情報を絡納し得るデータ形式への変更を検討しつつある. 多次元データ形式は, 実際の処理面では, 複数のファイルを同時にオープンして, そこから情報を取り出しつつ, 出力ファイル(複数)を処理する事になる為, ソフトウェアの互換性, 及びデータファイルの管理の面で, 極めて慎重な設計を必要とし, 本年度では成案を見なかった. 但し, この試行錯誤の過程で, いくつかの有力案を得ているので, 来年度での実現を期したい. 尚, 過年度・本年度に作成したデータは, 勿論この新形式に容易に変換出来る筈である. この様な複雑なデータ形式の処理の為のソフトウェアの作成は, 本年度購入したマイクロコンピュータ, そのソフトウェア(Cコンパイラ)を利用して順調に進み, 日本語データの処理は, 大型機各種, マイクロコンピュータ各種のどれでも全く同一のソースプログラムが動作する様なライブラリの開発に成功した. (但しプリンタ等の出力機器制御に未だ少し問題を残す). これによって蓄えた互換性維持の為のテクニックを活用して, 来年度の新データ形式の実現を検討中である.
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