Research Abstract |
本年度の研究実施計画に沿って, まずイディッシュ語の歴史, 文法, 社会言語学を参照しつつ, 音声, 語義, 形態, 統語の諸面におけるイディッシュ語と英語の相関を把握しようと努めました. 7月中旬から10月下旬まで3ヶ月余りをかけて, 「イディッシュ語と英語の相互作用-予備的概観」を執筆, 400字詰75枚の本稿は, 法大教養部紀要第65号(昭和63年2月刊)に掲載されました. 同論文の構成は次のとおりです. (1)イディッシュ語の発達 1.1定義と現況, 1.2系譜, 1.3ラーズ語要素, 1.4イディッシュ語の成立, 1.5ヘブライ語要素, 1.6スラブ語要素, 1.7キャリバン的言語, 1.8民族語としての地位, 1.9政争の道具 (2)アメリカへ渡ったイディッシュ語 2.1「貧乏ないこと」と「金持の伯父さん」, 2.2イディッシュ語ジャーナリズムと文化変容, 2.3イディッシュ語演劇の功罪, 2.4イディッシュ語の衰退, 2.5エスニック・ブームとイディッシュ語の蘇生, 2.6ユダヤ系アメリカ文学の隆盛とイディッシュ語ブーム, 2.7イディッシュ語出版の現況, 2.8イディッシュ語の将来, 2.9まとめ (3)イディッシュ語の英語化 3.1相互作用の順序, 3.2英語語彙の流入, 3.3借用語の転訛, 3.4イディッシュ語形態の保存, 3.5混成語, 3.6統語法, 3.7まとめ (4)イディッシュ語が英語に及ぼした影響 4.1外来要素に対する米語の寛容性, 4.2語彙, 4.3音韻, 4.4形態, 4.5統語法, 4.6語用論的側面 (5)統語 63年度は, 先輩同僚の批判をふまえつつ, さらに上記内容の討究を進めて行く所存です.
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