1987 Fiscal Year Annual Research Report
アトランティコ手稿に見られるレオナルドの宇宙論の形成と発展の研究
Project/Area Number |
62510265
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
齋藤 泰弘 京都産業大学, 外国語学部, 助教授 (70115848)
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Keywords | レオナルド / ヴィンチ / ルネサンス / 宇宙論 / 自然観 / 鏡文字 / アトランティコ手稿 / 終末論 |
Research Abstract |
今年度の作業計画は, まずアトランティコ手稿の1200葉に及ぶ紙葉を, その筆跡の違いと特徴にもとづいて分類し, その各グループの執筆年代を推定し, それらに記された宇宙論に関するノートをカードに書き写して, その思想的変遷を跡付けることであった. この分類作業は約半分ほど進んだ. つまり, レオナルドの初期紙葉群(1482年までのフィレンツェ時代の紙葉)と, 第1ミラノ時代の紙葉群(1483-1499年)については, すべて分類作業が終り, 紙葉に記された宇宙論についてのノートはすべてカードに書き写した. この作業を通じて, さまざまな新たな知見が生まれた. その結果, レオナルドのフィレンツェ時代の宇宙論について明確なイメージをもって論じることができるようになり, 私は岩波書店から上梓した著書『レオナルド・ダ・ヴィンチの謎』の第19章「化石の謎」(pp.261-277)において彼の初期の宇宙論を跡付けた. また, 共著『イタリア・ルネサンス文化』(紀伊國屋書店刊)所収の論文「レオナルド・ダ・ヴィンチの地球生命体説の変遷について」(pp.40-52)の主要部分は, 彼のミラノ時代の宇宙論に関するノートにもとづいて執筆したものである. また, レオナルドの鏡文字の書体の変遷については, -不充分な形ではあるが-『學鐙』3月号所収の「レオナルドと鏡文字」(pp.20-25)において触れた. 昭和63年度には, アトランティコ手稿の後半部の分類と整理を予定しているが, その成果は今年度同様かそれ以上に大きいと思われる.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 齋藤泰弘: 創造的市民. 19. 13-15 (1988)
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[Publications] 齋藤泰弘: 學鐙. 85-3. 20-25 (1988)
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[Publications] 齋藤泰弘: "レオナルド・ダ・ヴィンチの謎-天才の素顔-" 岩波書店, 298 (1987)
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[Publications] 齋藤泰弘,その他: "イタリア・ルネサンス文化-知の饗宴-" 紀伊國屋書店, 395 (1988)