1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62530011
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
刈屋 武昭 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70092624)
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Keywords | カールソン=パーキン法 / 確率的反応関数 / 合理的予想 / サーベイデータ正規分布 / ガンマ分布 / MTVモデル |
Research Abstract |
本研究の目的は, 経済変数についての社会集団の予想値の分布の平均, 分散, ゆがみの推定法をサーベイデータが与えられているという状況で研究しそのもとでインフレ予想, 景気予想についての実証分析を行うことである. 当該年度では, カーソン=パーキン(1975)が与えた定式化を拡張し, 人々の反応関数が確立的である場合を定式化した. すなわち, 閾値から大きく乖離した予想値をもつ人は, それが近い人に比較して変化を識別する確率が高い, という定式化であり, そのもとで平均, 分散の推定法を展開した. さらに閾値の値の推定法を最小2乗法, 最大法, 合理的予想最大法により展開した. 予想値の分布は, 正規分布のように対称でなく, また経済変数の値も正の値に限定されていることも多い. このような場合に, カーソル=パーキン法の発想を展開するため, 予想値の分布ガンマ分布とし, 反応関数は確率的であると仮定し, そのもとで平均, 分散, ゆがみの推定法を確立した. この場合, 推定法では繰返し計算法を用いる. 現在, さらにこれらの方法をより実際的に拡張しつつある. 応用としては, 日本銀行の『短期経済観測』のサーベイデータを用い, 景気予想とマクロデータの変動関係を分析中である. そこでは, いくつかの予想データ系列を多変量時系列変動要因(MTV)モデルに基づいて, 多次元変動関係を把握しつつある.
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Research Products
(2 results)