1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62530012
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
長坂 建二 放送大学, 教養学部, 助教授 (40000187)
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Keywords | 社会調査 / 自由回答の統計的分析 / 数量化法第III類 / MDA法 |
Research Abstract |
社会調査における自由回答の分析に際しての困難さは, 多肢選択型の質問のようにカテゴリー化がそれ程容易ではなく, かつ客観的な基準による分類(コード化)が難しい点にある. しかし, 注意深く設計された質問票の自由回答はある程度のパターン化が可能であり, 本年度はまず, 以前研究代表者らによって実施された「長野県の郷土と文化に関する調査」の自由回答の記述のコード化, キーワードを再検討した. そして, キーワードに対する各サンプルの反応を記入した反応行列を一部サンプルについて作成し, 林の数量化法, 特に第III類を適用して統計的解析を試みた. 反応行列のデータや解析プログラムは, ハードディスクよりカセットストリーマを経て磁気テープに保存され, データ保護や機密保持に貢献している. また, 反応行列の作成・整理に関しては謝金が使用されている. 一方, 重要な多変量解析手法としてMDA法が考えられるが, 上記調査における「長野県民の教育意識」に関する質問を, 信州大学教育学部武藤孝典教授と共にMDA法により分析し, 得られた知見を『教育意識の多次元尺度解析-MDAによる分析-』という標題の下に, 信州大学教育学部紀要に発表した. その結果, MDA法も自由回答の分析法に適用可能であろうと予想され, 来年度以降の本研究に対する明るい見通しを与えてくれたと同時に, 関連する自由回答の分析に際してのキーワード抽出に対して貴重な情報をもたらしてくれた.
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