1988 Fiscal Year Annual Research Report
新興工業国の技術蓄積と日本の経験ー機械工業を中心にしてー
Project/Area Number |
62530033
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中岡 哲郎 大阪市立大学, 経済学部, 教授 (80073360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西沢 保 大阪市立大学, 経済学部, 講師 (10164550)
塩澤 由典 大阪市立大学, 経済学部, 助教授 (00109076)
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Keywords | 新興工業国 / 機械工業 / 日本の経験 / 中進国 / 比較技術形成史 |
Research Abstract |
韓国、台湾等の新興工業国のめざましい経済発展が注目を集める一方、他方ではメキシコ、ブラジル等のつまづきにみられるようにその技術的脆弱さが露呈されている。成長すればするほど機械、中間財の輸入増加が圧力となることは、相対的に弱い技術基盤で急激な重化学工業化をしようとすることの必然的帰結であり、今世紀前半の日本の状況とよく似ている。機械工業を中心に、1900ー1945年における日本の経験と新興工業国の技術蓄積の過程とを比較検討しようとする我々の研究は、比較技術形成史への発展を意図しながら、前年度において、両大戦間期の日本における機械工業の技術蓄積についても一応の成果を得た。これを受けて本年度は、講師を招いて研究会をもった他、企業技術者、大学院生を含む研究会を継続させ、日本の経験と韓国およびメキシコにおける技術蓄積の過程とを比較検討し、中進国の経済成長における機械工業の役割について検討を重ねた。この過程で中岡は、'Mexico ante la Cuenca del Pacifico'に関する学会で、"Teclns-economic Perspective on Relations between Countries on the Pacific Rim and between Mexico and japan"を報告し、また「技術の経済学と歴史学の間で」において、本研究課題の理論的枠組を一層強固なものとした。これにそって研究グループの構成員は『工業化の社会的能力としての技術ー新興工業国と日本の比較ー』と題する論文集の刊行に向けて、現在原稿を準備中である。それに収められる予定の論文タイトルはおよそ以下のようなものである。すなわち、「工業化の中進国的段階と技術ー何故機械工業を問題にするか?ー」、「中進国の技術的矛盾ー機械貿易からみた分析ー」、「韓国機械工業の当面する問題」、「自動車工業における韓国、メキシコ、日本」、「工作機械工業における日本、台湾」、「技術教育におけるスギリス、日本」、「自動車部品メーカーと鍛造技術」、「挫折した農村機械工業の役割」、「自転車工業の技術形成」、などである。
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[Publications] 中岡哲郎: 経済研究(一橋大学). 39巻4号. 336-339 (1988)
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[Publications] Tetsuro Nakaoka: Paper presented to the colloquium on"Mexico ante la Cuenca del Pacifico". (1988)
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[Publications] 塩澤由典: 経済論叢. 139. 109-129 (1987)
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[Publications] Tamotsu Nishizawa,et al: Enlightenment and Beyond. 151-169 (1988)
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[Publications] 中岡哲郎 編: "工業化の社会的能力としての技術ー新興工業国と日本の比較ー" 筑摩書房, (1990)