1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62530054
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Research Institution | Kobe-Gakuin University |
Principal Investigator |
中部 よし子 神戸学院大学, 経済学部, 教授 (60068202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作道 潤 神戸学院大学, 経済学部, 助教授 (60140399)
高島 博 神戸学院大学, 経済学部, 教授 (50068269)
岩橋 誠一 神戸学院大学, 経済学部, 教授 (60068260)
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Keywords | 都市行財政 / 都市環境問題 / 住宅問題 / 社会サービス / 都市の比較史 |
Research Abstract |
昨年度と同じく、隔月の研究会を開き、都市行財政とその社会的経済的環境についての共同研究を行なった。本年度は、特に近代都市に焦点をあてた。各国別の研究成果は、以下の通りである。 日本の近世都市の行財政の研究が、昨年度中に完成しなかったので。本年度は近世後期の行財政を中心に進め、幕末期まで終わった。さらに、明治期の研究を進めている。この転換期から近代都市の行財政や都市政策とその社会的経済的環境の研究は、いずれまとめる予定である。 すでに近代化した日、英都市の発展の中で、地方自治体の行財政政策と、準公共財としての社会サーヴィスを提供する地方の公営公益事業の特殊性を、日、英のあり方を比較しながら、両国の代表的研究の幾つかの論点を比較検討し、社会サービスの提供とその充実の史的、社会的変化を見つつ、社会サービスが都市の総合的生活環境の向上と地方自治の諸機能の確立のために重要な前提となることを明らかにした。 フランスに関しては、19世紀後半の第二帝政期に行なわれたオスマンの都市改造計画のもつ限界を、特に工業労働者の住宅問題から考察した。パリをはじめフランス大都市では、中央政府や都市当局による都市改造でも労働者の住宅条件は改善されず、企業家もこの問題には関心を払わなかった。しかしクルーゾーやミュルーズでは企業家の積極的なイニシャチヴによって良質な住宅が有利な条件で労働者に提供され、これによって新しい工業都市が形成されたことを明らかにした。 ドイツに関しては、産業革命期ベルリンの都市生活環境が、その規定原因たる工業化、都市化、人口増加との関連で考察された。 以上の比較研究において得られた成果は、今後の研究に有意義であるが、各国の研究成果は、既に『神戸学院経済学論集』20巻12月号に掲載されるべく、現在印刷中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中部よし子: 神戸学院経済学論集. 20-3. 1-59 (1988)
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[Publications] 高島博: 神戸学院経済学論集. 20-3. 61-91 (1988)
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[Publications] 岩橋誠一: 神戸学院経済学論集. 20-3. 115-147 (1988)
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[Publications] 作道潤: 神戸学院経済学論集. 20-3. 93-114 (1988)